2014年11月02日

仙川環 封鎖 (10/2014) ☆☆☆☆



今の世の中ではエボラ出血熱のニュースがかまびすしい。 本書で話題になるのは別の感染症。すなわち、鳥インフルエンザだ。正確には、新型ということになる。

山奥の村で、原因不明の死者が出た。状況が村の医師ではわからず、応援を頼む。
感染症の専門家がやってきた。 
そして判明したことは、かなり重大な感染症であるということだった。

村は封鎖されてしまった。そして、住民はその詳細を知らされない。一方、マスコミにもその話は伝えられない。単純に、山奥の小さな集落が音信不通になっただけだ。
人々は脱出を、救出を試みていく。一方感染者は続々増加して…。

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
一夜のうちに症状が悪化し、死に至る。関西の山奥の集落で、強毒性の新型インフルエンザと覚しき感染症が発生した。医療チームが派遣されるが感染経路は掴めず治療も間に合わない。感染拡大を恐れ、集落から出る唯一の道は警察の手で封鎖された。娘を、この集落から逃がさなくては。杏子は、封鎖を突破しようと試みるが…。医療サスペンスの俊英が、明日起こる恐怖をリアルに描く!続きを読む


ラベル:仙川環
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堂場瞬一 グレイ (11/2014) ☆☆☆☆



1983年、バブル前夜の東京。貧乏学生の波田は経済評論家の北川が率いるシンクタンクで働き始める。恵まれた待遇、やりがいのある仕事。だがそれは社会の裏側を牛耳る「悪」の世界への入口だった──。

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
著名な経済評論家・北川啓が主宰する「北川社会情報研究所」。日々の暮らしに汲々としていた大学二年生の波田は、街頭調査のバイトで見込まれ、破格の待遇で契約社員になる。それが運命を大きく狂わせる一歩だとは知らずに…希望に満ちた青年を待ち受ける恐ろしい罠。潰すか、潰されるか。孤独な戦いが始まる。警察小説の旗手が挑むピカレスク・ロマ


実際のストーリーは、波田のリベンジということになる。
最初読み始めたときには、データ分析で一山あてるビジネス、という楡周平的な話を予想していたが、実際はまったく異なっている。
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ラベル:堂場瞬一
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五十嵐貴久 消えた少女 吉祥寺探偵物語 10/2014 ☆☆☆☆



以前このブログを訪れていただいたこともある、五十嵐貴久さんの作品。
吉祥寺はこのブログの筆者にもなじみが深い場所でもあり、楽しみに手に取った。

主人公のおれはコンビニバイト。あれ?探偵じゃないのか? 小学生の息子と二人暮らしのバツイチ。バイト以外は、別れた奥さんからの養育費仕送りでまかなっている。ハモニカ横丁の飲み屋で飲んだくれ、オカマとも仲良し…と、当初とはずいぶんイメージが違うが、面白い。

さて飲み屋の常連の女子大生、泉ちゃんがコンビニにやってきた。買い物かと思ったら、依頼だという。猫探し。おれが暇だろうと思い、猫探しを手伝うように依頼してきたのだ。

で、猫を見つけたと思ったら、今度は少女探しの依頼を受けた。一年前に失踪した少女の行方を捜してほしい、というのだ。その依頼主は、美しい人妻だった…。

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2014年10月19日

滝田務雄 ワースト・インプレッション 刑事・理恩と拾得の事件簿 (10/2014) ☆☆☆☆1/2



「田舎の刑事」シリーズの滝田務雄(たきたみちお) の新作。

キャリア組のコンビ、理恩(りおん)と拾得(じっとく)が、現場と軋轢を起こしながら事件を解決していくシリーズだ。
最終話では、このコンビの永遠のライバルとも言えるような存在が示される。今後、このシリーズではこの二人対ライバル、の事件が展開されていくのだろう。

商品の詳細説明
女刑事の理恩には問題が多い。減らず口を叩いたり、食い意地が張っていたり、すぐ迷子になったり。だが推理だけは超一流! コワモテの部下である拾得とともに、タレント歌人の失踪、大学教授の謎の死といった4つの難事件に立ち向かう。ドラマ化された「田舎の刑事」シリーズの著者による、待望のコミカル・ポリス・ストーリー。

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
始末書を乱発している若き刑事・畑山理恩。捜査本部長に減らず口を叩いたり、異常な食い意地で騒動を起こしたり、出かけるたびに迷子になったり…。だが推理だけは超一流!理恩をバカ扱いする部下の寒山拾得とともに、タレント歌人の失踪、大学教授の怪死といった4つの難事件に立ち向かう。笑いはたっぷり、謎解きはしっかり。この味はクセになる!

と、紹介されている。

お薦め度:☆☆☆☆1/2 おふざけのようで、謎解きについては本格的になっています。
ラベル:滝田務雄
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2014年10月18日

小路幸也 ビタースイート・ワルツ (10/2014) ☆☆☆☆

ビタースイートワルツ

ビタースイートワルツ
著者:小路幸也
価格:1,620円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る



モーニング

http://hidebook.seesaa.net/article/104042287.html
コーヒーブルース
http://hidebook.seesaa.net/article/376762154.html


に続く話。

刑事の三栖さんが姿を消した。ある事件を追いかけているらしい。三栖さんの部下で、たぶん恋人の甲賀さんが探しにきた。
一方、あゆみちゃんの友達が、音信不通になった。

その一見無関係にみえる事件2つが、いつのまにかつながっていく。
そこはシリーズの他の作品とも同じだし、あるいは作者の他のシリーズでも同じだ。

こじつけに近い部分もあるが、実際は面白いからそれでいい。
エンターテインメントはそういうものだ。

楽しく読んでいこう。

お薦め度:☆☆☆☆ 自作ではあゆみちゃんと結婚するのでしょうか。

ラベル:小路幸也
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2014年10月04日

柚木麻子 伊藤くん A to E (10/2014) ☆☆☆☆



形式としては三浦しをんの「私が語り始めた彼は」に近い。
伊藤くん、という人間について回りの人間が語るもの、あるいは周りの人間の視点から描写されるものだ。

三浦しをんとの違いは、この伊藤くんというのがクズだ、ということだ。
とにかく虫唾が走るくらいひどいダメ人間だ。
他人に依存するし、偉そうなことを言うが何も行動しない。女性に頼られると逃げる。むしろ女性に支えてほしいということ。
女性というより、外部に、ということになる。
硬い甲羅のなかで、誰かに引き上げてもらえるのをじっと待っているだけ。

こういうクズはひさびさだ。
こんなクズをモテるように描写する柚木麻子は意地悪だ。

まあ、直木賞あきらめたってよ、と某トヨザキ社長に帯に書かれたけどノミネートされたし、いいんじゃないだろうか(笑)。

お薦め度:☆☆☆☆ この伊藤くんのクズっぷりをちゃんと見て怒ってください。



ラベル:柚木麻子
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田中啓文 ウィンディ・ガール ストーミー ガール  サキソフォンに棲む狐 (9/2014) ☆☆☆☆1/2




田中啓文の作品だが変なものでもお下劣なものでもない。

主人公は女子高生。
ブラスバンドでサックスを吹き、普門館を目指す…ところから始まるのだが、彼女はジャズに目覚める。
質屋で偶然手に入れたアルト・サックス。それを何とか吹きこなそうとするが、なかなかうまくいかない。するとそのサックスから、しゃべる狐が現れた…。そしてテンコはいつのまにかジャズを目指していく。

主人公のテンコの父は、新宿で不慮の死を遂げていた。
彼女は事故だときかされていたが、実際はどうだったのだろうか?

テンコのサックスの元のオーナーは、どうやら有名なジャズミュージシャンだったらしい。だが、彼がどうなったのか、誰も知らない。

テンコが父親の死の真相を追いかけるうちに、彼女自身が見えない敵に追われるようになり…


面白い。
ジャズもブラバンも知らなくても楽しめる。
知っている人は余計に楽しめそうだが。

お薦め度:☆☆☆☆1/2 そんな簡単に吹けたら苦労はしない!(^_^)
ラベル:田中啓文
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楡周平 レイク・クローバー (9/2014) ☆☆☆☆

レイク・クローバー

レイク・クローバー
著者:楡周平
価格:1,944円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る



ミャンマーの奥地で米国企業がひそかに作業をしていた。すると正体不明の病気にかかった男が出た。男は、死ぬ前に近くにいた他の男の首を噛んだ。そこから寄生虫が別の男に入り込み、そしてその男も…。

米国CDCはその原因追求のために現地に飛ぶ。その一方、ミャンマーでオペレーションを行った潜水艦にも、同じ症状が生じていた…。

CDCのスタッフである佑二は、現地で奇妙な男に出会った。もしかして日本人なのか?
謎の寄生虫の謎を解くことができるか?そして誰が助かるのか?

楡周平の面目躍如というところだ。米国の記載もかなり詳細になされている。


お薦め度:☆☆☆☆ 密室でこんな寄生虫に…考えたくないです。
ラベル:楡周平
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2014年09月21日

山本幸久 芸者でGO! (9/2014) ☆☆☆☆1/2



タイトルはもちろん「電車でGO!」のもじり。

だがその「電車でGO!」は、おなじみの電車運転ゲームではない。
これは戸川純の歌「電車でGO!」から来ているのだ。

戸川純を知らない人も多いだろう。筆者は二重数年前、知人の部屋で彼女のレーザーディスクを何度も見せられていたので「電車でGo」「昆虫軍」などを知っているのだが。
(Youtubeにライブ映像が載っているので、興味のある人は一聴の価値がある。)

さて本題。
これは「八王子芸者」のメンバーたちの物語だ。

大学受験に失敗した元女子高生が、恋人にフラレて八王子で芸者「弐々」になった。
そうしたら、お座敷になぜか元カレがやってきた…。

芸者の置屋「夢民」(ゆめたみ、でむーみんではない)にはユニークな芸者が5人いる。
元看護師で元締めの「茂蘭」元OLの「寿奈富」元キャバクラ嬢の「未以」、元女子プロレスラーの「兎笛」そして弐々だ。

それぞれ皆に理由があり、生活もある。
そして楽しく苦しく、一生懸命生きている。それはだれでも同じことだ。

なお、弐々はおなじみアヒルバスのデコちゃんの従姉妹ということになっている。
今後ワールドの一員として出てくるのだろう。

お薦め度:☆☆☆☆1/2 芸者さんも大変です。




ラベル:山本幸久
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水沢秋生 カシュトゥンガ (10/2014) ☆☆☆☆




商品の詳細説明

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
掃除当番で放課後の旧校舎に集められた「底辺」の生徒たち。「強者」によって支配される校内には、彼らの居場所はなかった。いつも誰かに怯えている彼らだったが、一人の少女の出現によって変わっていく。少女の教えてくれた“おまじない”をすれば、「なりたい自分になれる」と信じて。しかし、それは復讐劇のはじまりだった。やがて“おまじない”は全校生徒を侵食し、学校は静かに壊れていく…。


という風に内容情報にはある。
実際のところは、その出現した少女、華那がすべての糸を引いているわけではない。むしろ彼女はきっかけでしかないのだ。
結局のところはいじめられている、蔑まれている少年少女達の鬱屈を開放するためのきっかけを与えただけにすぎない。彼らは勝手に暴走していくのだ。

その一方、良心の塊のような主人公、咲希は、何が起こっているのかをまったく理解できない。そしてそれは彼女の育ちのよさによるものでもある。


いったい華那は何者なのか。それについては結局最後まで解き明かされることはない。
そして問題も解決されたわけではない。

華那が去っても、また問題は起きるかもしれない。そしてその徴候は示唆されている。
華那は問題をおこす方ではなく、鎮めるほうの側なのだから。

お薦め度;☆☆☆☆ おまじない、も大きな力を持ちえます。

ラベル:水沢秋生
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長沢樹 上石神井さよならレボリューション (9/2014) ☆☆☆☆



説明が難しいので、楽天ブックスの「内容紹介」をそのままコピペしようとしたら

商品の詳細説明
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
野鳥とフェティシズムと「消失の謎」を捕獲せよ!

だと。短すぎる…

舞台は高校。僕は写真部のメンバー。学園のアイドル、川野のカメラマンを仰せつかる。
彼女は生物部で野鳥探索が好きだが実は陸上では高校記録を持っている。だが陸上部には入っていない。

一方、僕は頭の切れる友人の岡江に、彼女を被写体にした「フェティシズムを満足されるような写真」を要求されている。彼はその代償として、謎が起きた時に謎解きをしてくれるのだ。

このメンバーによる連作短篇集。

少々浮世離れしたメンバーであるが、下手なラノベとかよりは面白い。

お薦め度;☆☆☆☆ 野鳥の写真なんてそう簡単に撮れるものじゃないでしょうね。
ラベル:長沢樹
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2014年09月07日

近藤史恵 さいごの毛布 (9/2014) ☆☆☆☆



場所は意外にも「老犬ホーム」だ。


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
幼い頃から自分に自信が持てず、引っ込み思案。家族とも折り合いが悪く就職活動も失敗続きだった智美は、友人の紹介で、事情があって飼い主とは暮らせなくなった犬を有料で預かる老犬ホームに勤めることになる。時には身勝手とも思える理由で犬を預ける飼い主たちの真実を目の当たりにして複雑な思いを抱く智美は、犬たちの姿に自らの孤独を重ねていく。最期を飼い主の代わりに看取る「老犬ホーム」。身勝手な過去とすれ違うばかりの愛情が、ホーム存続の危機を招いてー。『サクリファイス』の近藤史恵が紡ぎ出した新たな感動物語。


近藤史恵の引き出しは多い。この本はミステリーでもスポーツサスペンスでもない。社会問題をえぐりながらも人間を描いている作品だ。 さすがといえよう。
人間は身勝手だ。だが、だからこそこの老犬ホームは存在している。犬を好きだときつい仕事、というのはまさにそのとおりなのだろう。


お薦め度:☆☆☆☆ 一人暮らしの芸能人とかは愛犬をどうしているのでしょうか。
ラベル:近藤史恵
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成田良悟 デュラララ!  13 (2014/9)



一応第一部完結、ということになる。
第一巻から10年かかったようだ。
ちょっと登場人物を増やしすぎたので最後はまとめきれなかった部分もある。(淀切陣内あたりの話など。)だが、結局はこの話はセルティが主人公(のはず)だった。 そして当然、あの3人の秘密のばらしあいもメーンになる。互いが互いの秘密を知ったことを知って、なおかつお互いの距離を縮めることができるのか。

あと、気になるのはある人物の生死だ。もし第二部があるのだったら、きっと生きているのだろう。

街が主人公かと思ったこの物語。タイトルはもちろんデュラハンから来ているのだから、主人公はセルティだ、と言ってもいいのかもしれない。もちろん実際は帝人が主人公と見るべきなのだろうが。

とりあえずこの物語をなんとか収めた作者の力量は大したものだと言えるだろう。
ラベル:成田良悟
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堂場瞬一 独走 (9/2014) ☆☆☆☆

独走

独走
著者:堂場瞬一
価格:1,620円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る



【内容情報】(「BOOK」データベースより)
五輪柔道金メダリストの沢居弘人は、スポーツ省から、国の特別強化指定選手「SA」の陸上選手・仲島雄平のサポートを命じられる。仲島は実力はあるもののメンタルが弱いという致命的な弱点があった。「金メダル倍増計画」を掲げ莫大な予算でアスリートを管理育成する国で、選手は何を目的に戦うのか。オリンピック、ドーピング問題、引退後の人生設計…現代スポーツ界が抱える様々なテーマを内包して物語は疾走する!!

物語はコーチの目から語られる。彼も元SAであり、スポーツ選手のことはある程度わかっていたのだが、陸上のことはわからず、また仲島のことは結局理解できなかったと言えるのだろう。

スポーツ選手が競技をするのは誰のためなのか?国のためなのか、自分のためか。また、記録を目指すのか、勝つことを目指すのか、それとも美しい理想に近づくことを目指すのか。

答えが一つではないことをこの作品はは問うている。

お薦め度:☆☆☆☆ 税金を使って強化をするのは良いことだと思いますか?
ラベル:堂場瞬一
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2014年08月23日

小手鞠るい アップルソング (8/2014) ☆☆☆☆1/2



小手鞠るいの作品。
だが、これはまだるっこしい恋愛小説でも愛欲のぶつかり合う話でもない。
フィクションとノンフィクションを織り交ぜたタイプの小説だ。
実際にこれがフィクションなのかノンフィクションなのか、ずっと先までわからない。

物語は「私」の視点で語られたり、主人公である茉莉江の視点で語られたりする。
茉莉江は、国際結婚した実の母に連れられてアメリカに渡り、母の死を機会に高校の途中でニューヨークに移り住み、そこで日本人の坂木という男性の導きで写真家になった。
そして日本人カメラマンの蓮慈と出会い、恋人になる。なかなか結婚できないまま妊娠し、彼はベトナムへ飛ぶ。そして茉莉江は日本で大きな事件に遭遇し…。

茉莉江の強さ、そして「私」の彼女を追う足跡を描いていくこのノンフィクションなのかフィクションなのか。写真に詳しくない自分には最後のほうまでわからなかった。


読み方としては、それでいいのだろう。

お薦め度:☆☆☆☆1/2 彼女の撮った写真を見てみたいです。
ラベル:小手鞠るい
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唯川恵 途方もなく霧は流れる (8/2014) ☆☆☆☆



航空会社に務めるバツイチの岳夫はリストラにあい、仕方なく姉が数年前まで使っていた軽井沢の別荘にころがりこんだ。実際は失踪した父が購入したものだった。

将来を約束したわけでもないCAの美映からは、こう言われた「あなたは結局、責任を取るのがイヤなのよ。だから自分からは何も言わないの。表面的には相手の意思を尊重するようなふりをしているけれど、それはポーズでしかなくて、すべてのことから逃げてるの。今度のこともそう。私に言ったのは『軽井沢でクラスことにした』、それだけよね。私に来いなんてひと言も言わなかった」
「あなたのずるさは、そうやって一見まっとうな理由を掲げて、自分を正当化するところ。そうじゃないでしょう?あなたは私が勝手に付いて来た、というスタンスを取りたかったんでしょう?だって、来て欲しいなんて言って、あとで私にこんなはずじゃなかった、って文句を言われたくないもの。あなたはいつもそう。そうやって先に逃げ道を用意しておくの。私ね、今回のことでやっと決心がついたのよ。もう無理だって。あなたとは一緒に生きていけないって」




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ラベル:唯川恵
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2014年08月22日

藤原祐 煉獄姫 (8/2014)



【内容情報】(「BOOK」データベースより)
現世のひとつ下の階層に位置する異世界“煉獄”。そこに満ちる大気は有害であり、一方で人の意志に干渉して森羅万象へと変化する性質を持っている。瑩国第一王女であるアルテミシアーアルトは、その煉獄へ繋がる扉を身の裡に孕む特異体質の持ち主だった。常に毒気を身に纏い近寄る者すべてを殺してしまうが故、普段は呪われた子として城の地下牢に幽閉されている。しかし彼女は時折、外の世界へ出る。従者である少年騎士フォグと共に、王家の密命を受けて。煉獄の毒気を練り超常を操る“煉術師”としてー。策謀と毒気が渦巻く都市“匍都”で繰り広げられる薄闇の幻想物語、開幕。


フォグがなぜ生まれつき毒に強いのか、最後のほうで明かされる。

そして話は次巻以降へと引っ張られていく。
ラベル:藤原祐
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2014年07月21日

秋川滝美 居酒屋ぼったくり (7/2014) ☆☆☆☆

居酒屋ぼったくり

居酒屋ぼったくり
著者:秋川滝美

価格:1,296円(税込、送料込)

楽天ブックスで詳細を見る




内容情報】(「BOOK」データベースより)
東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情があるー旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説、待望の書籍化!全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載!

「小説家になろう」というサイトをご存知だろうか。
そのサイトに掲載されたいた作品を改稿の上で出版したものになる。

姉妹がきりもりする小さな居酒屋。
ぼったくり、という名前がついているが実際はそんなことはない。
ただ常連が多くなる。

そんな居酒屋の常連さんたちとオーナーの美音がくりひろげるお話だ。

酒のうんちくや料理の話しも多く、読んでいるだけで飲みたく、食べたくなってしまう。

ロマンスは…今後に期待。

楽しい一冊だ。

お薦め度:☆☆☆☆ こんな店の常連になりたいものです。
ラベル:秋川滝美
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2014年07月13日

山本甲士 ひかりの魔女 (7/2014) ☆☆☆☆1/2



ストーリーテリングの名手、山本甲士の作品。
この人の作品はもっと広まって欲しいといつも思う。

浪人生の僕の家に、祖母が同居しにやってきた。
彼女が来てからというもの、家族は変わり、周りの人たちもどんどん変わる。
いい方へと。

彼女は人のことを思いやり、優しいうそをつく。
そしていつもにこにこしている。

彼女に接する人はみな、自分が一番彼女の目をかけてもらっていると思う。
そんなことはない。僕が一番だから。

なんとばあちゃんは、やくざの手打ちまでお膳立てしてしまうのだ…。

説明がもどかしい。
やはり、読むのが一番。
山本甲士に、もっと触れて欲しい。

お薦め度:☆☆☆☆1/2 こんなばあちゃんに会いたい!


ラベル:山本甲士
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柚木麻子 けむ☆たい後輩 (6/2014) ☆☆☆☆



めでたく直木賞候補になった柚木麻子の作品。某作品のカバーには「ユズキ、直木賞あきらめたんだってよ」と書いてあったが(笑)。

栞子という「元」詩人兼大学生と真美子というその後輩の関係を描く。

真美子は栞子の熱狂的なファンだ。
栞子は高校時代に詩集を出版した。
それを知っている真美子が栞子に初めて会ったとき、彼女は狂喜乱舞した。

それから真美子はけなげにひたむきに栞子を追いかける。
だが真美子は栞子が求めることをラクラクとこなしていってしまうのだ…

結末については、当然、と思う人と、こんなのダメだ、と思う人がいるだろう。
賛否両論ある作品のほうが面白い。

僕はこれでいいんだと思う。

お薦め度:☆☆☆☆ 飛んでいたのは真美子のほう。
ラベル:柚木麻子
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行成薫 名も無き世界のエンドロール (6/2014) ☆☆☆☆



界一の純情は、彼女に届くのか?
俺とマコトは小学校時代からの腐れ縁だ。マコトは昔からドッキリを仕掛けるのが生甲斐で、社長となった今も変わらない。そんなヤツが、史上最大の「プロポーズ大作戦」を実行すると言い出した。第25回小説すばる新人賞受賞作

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
俺とマコトは小学校時代からの腐れ縁だ。マコトは昔からドッキリを仕掛けるのが生き甲斐で、社長となった今も変わらない。そんなヤツが、史上最大の「プロポーズ大作戦」を実行すると言い出したー。天使よりも純情。悪魔よりも非情。男たちの命がけの情熱は、彼女に届くのか?第25回小説すばる新人賞受賞作。


これだけ見るとコミックのように見えるが、実はそうではない。
回想シーンにしか出てこなくなったヨッチがどうしたのか。それでプロポーズがなぜ行われているのか。
読んでいくとどんどん不思議に引き込まれていく。


なお、最後の刑事との会話の中ででてきたシロタという名前に意味があるのかどうかがわからなかった。もし分かる人がいたらご指摘願いたい。

お薦め度:☆☆☆☆ 余ったIDは業者の手に渡って保存され、このように有効活用される。
ラベル:行成薫
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2014年06月22日

小路幸也 スタンダップダブル! 甲子園ステージ (6/2014) ☆☆☆☆

スタンダップダブル!(甲子園ステージ)

スタンダップダブル!(甲子園ステージ)
著者:小路幸也
価格:1,620円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る


スタンダップダブル
http://hidebook.seesaa.net/article/393212637.html
の続編。

いよいよ甲子園に出場。目指すは当然優勝だ。
その一方で、彼らの秘密をほじくり出そうとしている山路の高校時代のチームメイトかつフリーライターの塩崎のことも気になる。

塩崎対策で、山路と絵里はカップルとして行動することになる。
チームは順調に勝ち上がってくる。だが塩崎の手はどんどん近づいてくる。
彼の裏の目的がだんだん明らかになるにつれ、手段がどんどんなくなっていく。
果たして秘密は守られるか。そしてチームの行方は?


広げた風呂敷をちゃんとたたんでくれたので基本的に満足だ。
というか上下巻というくらいのイメージで捉えるべきだろう。
フラッシュベースボールがそれほど出てこないのはちょっと残念だが。

お薦め度:☆☆☆☆ 目指せ甲子園優勝!
ラベル:小路幸也
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2014年06月15日

堂場瞬一 over the edge (6/2014) ☆☆☆☆

【送料無料】over the edge [ 堂場瞬一 ]

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価格:1,836円(税込、送料込)



NY市警のモーリス・ブラウンは東京に視察の出張に来た。
実は彼にはもう一つの個人的なミッションがあった。
彼の友人が東京で失踪した。その手がかりを探しに来たのだ。

ブラウンが個人で動いていると、いきなり襲われた。彼を助けたのは、元刑事の探偵、濱崎だった。
濱崎はブラウンに協力を申し出るが、ブラウンは断る。
一報濱崎はもと上司に連絡をとり、ブラウンの素性を割り出し、自分の興味から動き出す。

そしてブラウンはまた事件に巻き込まれていった…。

濱崎の出会いがあまりに都合がいい状況であったり、カーチェイスと銃弾などちょっと荒唐無稽に近い部分もあるが、エンターテイメントだからかまわない。
面白ければそれえいい。

お薦め度:☆☆☆☆ 二人の活躍の続編を見たいです。
ラベル:堂場瞬一
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中村航 星に願いを、月に祈りを  (5/2014) ☆☆☆1/2

星に願いを、月に祈りを

星に願いを、月に祈りを
著者:中村航
価格:751円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る



内容情報】(「BOOK」データベースより)
小学生のアキオ、大介、麻里は、夏の学童キャンプで、夜、ホタルを見るため、宿を抜け出し、川に向かう。ようやく川にたどり着いた三人は、偶然ラジオから流れる謎の深夜放送を耳にする。その後、中学で野球部に入ったアキオは、一学年先輩の合唱部員・里崎さんを好きになるが、告白できないまま、時間が経過する。高校生になったアキオは、夏休みに、かつてのキャンプ場を訪れ、再び謎のラジオ番組を聞き、あることに気づく。そして、さらなる時間が流れ、アキオたちは大人になった。物語は、大きく動き始める。

星空・レディオ・ショー
不思議な番組だ。

説明やオチは不要だったと思える。

お薦め度:☆☆☆1/2 星空を見ながらファンタジーがラジオから流れてきます。

ラベル:中村航
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小路幸也 娘の結婚 (5/2014) ☆☆☆☆



妻に先立たれ,男手ひとつで育ててきた一人娘が、大切な相手を連れてくるという。
その相手は、実は昔住んでいた賃貸マンションの隣に住んでいた幼なじみだと。

父としては複雑だが、もう一つ気になることがあった。死んだ妻と、隣の奥さんは折り合いが悪かったのではないか。だとしたら義理の母になるその人は、娘をどう思うだろうか。そしてひどいことをしないだろうか…
父は友人や昔の彼女などに相談してみる。そしてわかったことは…。



父の立場、娘の立場などそれぞれの見方で語られる。
作者が作者だけにハッピーエンドであろうと思いながら読み進める。

ちょっと無理やりオチをつけたような部分もあるが、まあ円満に収まったといえるだろう。
伏線を回収仕切れていない感じはあるが。

リアリティなら本当にその後がどうなったか、気になるところだ。

お薦め度;☆☆☆☆ 「お父さんを守るために」という言葉はかなり衝撃的でした。
ラベル:小路幸也
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2014年05月24日

野崎まど KNOW (5/2014) ☆☆☆☆



未来の物語。
「知っている」という言葉が変化している。
超情報化社会の中で、人間が処理できる情報の有限性を緩和するため、脳に「電子葉」という新しい機器を埋め込むことになっていた。
その電子葉はネットで新たな情報を取ってくることも可能だ。
そのため「知る」といってもネットで一瞬で情報を取ることも可能になっている。

そんな仲で主人公は自分の恩師に女の子を預けられた。
彼女は「レベル0」という、情報処理の能力はなく、彼女の情報はすべてだれでも見られるような常態にある、はずだった。ところが…。

この本を英訳するのはかなり難しいだろう。

「知る」ということはここの社会では何を意味するのか。

お薦め度:☆☆☆☆ 難しいけどなんとか理解できたような気がします。そして結末は…
ラベル:野崎まど
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東野圭吾 疾風ロンド (5/2014) ☆☆☆☆



東野圭吾の文庫書き下ろし作品。
強力な細菌兵器がスキー場に埋められた。その場所のてがかりはテディベア。
そして犯人は死んでしまった。

研究員は、秘密裏に細菌を回収するために息子とスキー場へ行く。
だがなかなか見つからない。
そしてテディベアは事情を知らない人に持ち去られていたのだ!

果たして細菌は回収できるか…

東野圭吾らしい作品ではある。ただし重厚さよりも読んでいてのハラハラ・ドキドキを優先した感じがする。これはやはり文庫書き下ろしを意識したからなのだろうか。

お薦め度;☆☆☆☆   こんなことあるわけないよ。でも面白いからまあ許すか。
ラベル:東野圭吾
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西澤保彦 探偵が腕貫を外すとき 腕貫探偵、残業中 (5/2014) ☆☆☆☆

探偵が腕貫を外すとき

探偵が腕貫を外すとき
著者:西澤保彦
価格:1,296円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る




腕貫探偵の新作。
一部、やはり偶然での説明が納得できない場面あり。
そうは言っても面白い。

お薦め度:☆☆☆☆
ラベル:西澤保彦
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宮木あや子 校閲ガール (5/2014) ☆☆☆☆1/2



校閲という単語を知っているだろうか?
本の編集の1プロセスだ。

たとえば、漢字とかなとか常態敬体の表現の統一や、記載された事項の内容確認などを行い、本の内容が適切であることを確保するようなことだ。

主人公が電車で移動するシーンがあれば、その時間で本当にいけるかどうか時刻表をチェックするのも仕事の一つになるし、戦国武将の記載があればその時代に本当に合った表現になっているかを確認する。ルビの初出がどこかを確認したり

主人公の河野悦子は、雑誌の編集にあこがれて景凡社に入社した。ところが配属されたのは校閲部だった。
興味のない校閲をやらされて彼女は腐っているが、それでも仕事は何とかこなしている。
こうのえつこ、という名前が校閲に向いていると思われ採用されたらしい。

そんなとき、ある作家との飲み会に無理やり連れて来られて初めてその作家に会った。
その後またデパートでその作家に再開したが、妻と一緒だった。そして悦子は妻と喧嘩した…。

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2014年05月23日

宮部みゆき ここはボツコニアン 1,2 (5/2014)




気楽に読める作品。

あらゆるゲームのボツ設定が揃っている世界、ボツコニアン。
そこでピピとピノは冒険に出ることになった。
二人は生き別れの姉弟。

ゲームはなかなか始まらず、クソゲーの体を露わにする。

二人はゲームをクリアできるのか…

作者がかなり楽しんで書いた作品と言えるだろう。


ラベル:宮部みゆき
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2014年05月18日

堂場瞬一 内通者 (5/2014) ☆☆☆☆

内通者

内通者
著者:堂場瞬一
価格:1,728円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る



【内容情報】(「BOOK」データベースより)
千葉県警捜査二課の結城孝道は、護岸補強工事に絡む贈収賄事件の内偵中に、最愛の妻を病気で失ってしまう。彼は、ひとときでも悲しみを忘れようと捜査に没頭するが、いわれなき告発により、自らの立場は揺らいでいく。そんな中、唯一の肉親となった一人娘から助けを求める連絡が入り…。結城は刑事として、そして父親として、犯人と対峙していくがー。
(引用終わり)

捜査の対象は贈収賄だ。千葉県警にとっては非常に大きなヤマになり、ぜひとも現場をつかまえたい、と思う。それは現場もキャリアも同じだ。
それに対してのルートは細い。社内の内通者ただ一人だけだから。しかも彼は閑職においやられており、必ずしも情報を取れるわけではない。

そんな状況のなかで結城は「はめられる」。
だが本人にはその理由がよくわからない…
続きを読む
ラベル:堂場瞬一
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小路幸也 蜂蜜秘密 (5/2014) ☆☆☆☆



異国の世界を舞台にしたファンタジー。

「古くから〈奇跡の蜂蜜〉として大切に伝えてきた蜂蜜を守るため、自動車も使わず、火薬

も制限し、今でも様々な掟に従って暮らしている〈ポロウ村〉。

村の名家であり、〈ポロウの蜂蜜〉を採るために必要な〈キングサリー〉の花を代々栽培しているロウゼ家の一人娘サリーは、遠い国からの転校生としてやって来た少年レオと仲良くなる。深い山あいの、絵画のように美しい自然に囲まれた村の農学校で、少年少女は園芸や養蜂を勉強しながら日々を過ごす。だが、レオが来たのと時を同じくして、村には何かと異変が起こるようになる。森や泉で不思議な現象が続いたり、〈ポロウの蜂蜜〉をつくる〈ポロウミツバチ〉がぱったりと姿を消したり……。村の謎にレオが深く関わっていることにサリーが気づくのと同時に、村人たちもまたレオの正体を疑い始める。そして激しい嵐の晩、行方不明となったレオを探すサリーは〈ポロウの蜂蜜〉にまつわる古い古い秘密を知ることになる……。

ファンタジックな村を舞台にしながら、人が文明を進化させること、自然のなかで暮らすこと、大きな時の流れに否応なく変化していくこと、に静かな問いかけを投げる物語。 」
(以上 楽天ブックス「詳細情報」より)続きを読む
ラベル:小路幸也
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2014年05月06日

新井素子 イン・ザ・ヘブン (5/2014) ☆☆☆☆1/2



なんと、新井素子の33年ぶりの短篇集。
ストーリーテリングはまったく変わらない。
あとがきが長いのもそのまま。

表題作は、死の床についた今日子さんに対して、あたしが一生懸命天国はどうなっている、という話をして、どんどん設定が膨らんでいく話。自分が若返ったとしたら、相手も若返るとか、子供がどうなる、など。

ノンフィクション(というのか?日記だ)が一編。「テトラポッドは暇を持て余しています」
彼女の口からこんな言葉がもれた。まったく意味不明だが、それがなんと…。

キャットテイルのリナ、というぬいぐるみが登場する。まだいたんだ。昔「ひでおと素子の愛の交換日記」でイラストを見た覚えがある。だから30年間彼女のものとしてお出かけの友になっていたようだ。
姉妹がいてほとんど喋れないキャナとかティナとか、という設定だった。
設定と言ってはいけないのか。新井素子にとってはぬいぐるみはコミュニケーションができる相手だから。ぬいぐるみホラーまで書いているし。

いずれにしてもベテラン新井素子健在、というのが嬉しい。「銀婚式物語」もよかったがこの短篇集もよかった。さすがはベテラン。日本SF作家協会の会長までやったくらいだし。

というわけで楽しめた。

お薦め度:☆☆☆☆1/2 作品を「手なり」で書けるというのもすごいものです。

ラベル:新井素子
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辻仁成 醒めながら見る夢 (4/2014) ☆☆☆☆

醒めながら見る夢

醒めながら見る夢
著者:辻仁成
価格:1,728円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る



辻仁成の新作。映画化も決まったらしい。

物語はそれぞれの語り、視点で進行する。
妹、陽菜。姉の亜紀だけを見つめて生きてきた。そして姉の恋人と関係を持つ。これもまた姉に近づくため。そして姉を裏切った男のことを憎む。
姉の恋人,優児は劇団の演出家。

文也は縄師の見習い。師匠は女性を美しく縛り吊るす。だが文也はまだまだ未熟だ。
ある日、陽菜という女性が目の前に現れ、彼に願い事を託す…

登場人物はそれぞれに関係を持ち、その間柄に戸惑ったり絶望したりする。
それぞれが悩んでいる。

そしてすべては醒めながら見る夢のように、どこか現実離れしている。

お薦め度:☆☆☆☆ 視点の変換をどうやって映像化するのかがポイントなんでしょう。



ラベル:辻仁成
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2014年05月05日

誉田哲也 幸せの条件 (5/2014) ☆☆☆☆1/2



梢恵はごく普通にのんびり働くOLだ。彼女は社長から呼び出され、休耕田でバイオエタノール用のコメを作らせるため長野へいけ、と通告された。バイオエタノールの何たるかもわからないまま、彼女は長野へ行くことになる。
期限は無期限。彼氏からも「距離を置こう」と言われてしまった。

梢恵が現地に行ってわかったのは、自分が何も知らないということ。
そして怒られるうちに現地の有機農業の農業法人に取り込まれる。

ゼロから農業を勉強していくうちに、梢恵にもだんだんいろいろなことがわかってくる。
だがバイオエタノールの話は進まない。

そして…

よく調べられた、いい話に仕上がっている。
日本の農業には将来がある。人々がどうやってそれをつかむか、が一番のポイントだ。

おすすめ度:☆☆☆☆1/2 農業はロマンです。

ラベル:誉田哲也
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朱川湊人 黄昏の旗 (4/2014) ☆☆☆☆



朱川湊人の短篇集。
表題作。電車の窓から旗が見えた。電車から降りて、その旗を目指して行ってみる。するとそこには、別れた妻と娘が居て、自分に声をかけてくれた。
驚いて逃げたが、二週間後にまた近づいてしまう。そこにはやはり妻と娘がいた。だが、近づこうとすると若い男が声をかけてきた。彼は、行ってはいけない、と言う…。

運命の女、のような
俺とミナコは不思議な関係だった。友達でも、ましてや恋人でもない。
だがミナコとはあちこちで出会う。出会うだけで何も起きないのだが。
運命の女ではないのだが、それでも何度も出会う。

未来人のビストロ
個人的にはこれが一番好きだ。
特にトリックがあるSFとか推理小説ではない。
小学生の僕たちが埋めたタイムカプセルにミツルはこう書いていた。30年たったら体育の日に八重州の「コンコルド」という店でビフテキをおごってあげる、と。
タイムカプセルを掘り出したのは35年後だった。コウジとトシアキは、コンコルド、という店があるのを知り、ミツルは未来人だったのか、と思う…

朱川湊人好きな人にはぜひ。

お薦め度:☆☆☆☆ ファンタジー系が多い作品集です。


ラベル:朱川湊人
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2014年03月30日

大崎梢 キミは知らない (3/2014) ☆☆☆☆

【送料無料】キミは知らない [ 大崎梢 ]

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リンクは新刊の文庫だが読んだのはソフトカバー版。

高校生の悠奈は図書室に通うのが好きだった。そこには亡き父が書いた本がある。
そしてその本を知っている非常勤の先生がいる。
その先生がなぜか急に辞めてしまった。先生の住所を調べると、そこは火事で父が死んだ場所だった。
しかも先生と同じ苗字の女性が、同じ火事で死んでいる。

これはいったい…続きを読む
ラベル:大崎梢
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西澤保彦 ぬいぐるみ警部の帰還 (3/2014) ☆☆☆☆



別のシリーズと完全に勘違いしていた。

ぬいぐるみ警部、とはぬいぐるみが好きな警部のことだ。ぬいぐるみがしゃべるわけではない。
というわけでエリートだがぬいぐるみとしゃべるキャリアの警部が推理で活躍する。

以上。おわり。まる。

…では何も語らないな。
続きを読む
ラベル:西澤保彦
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小路幸也 スタンダップダブル (3/2014) ☆☆☆☆



全く中身をしらずに読んだ。
そのため、もしかしたら「つむじダブル」の続編かと思っていた。
いきなり野球の話になったのであれ?と思ったら全く関係なかった。スタンダップダブル、とはゆうゆうの二塁打、という意味だった。

高校野球の話だ。
新聞記者の絵里は北海道支局に飛ばされ、いや転勤した。そこで高校野球の取材をして、不思議なチームを知った。高校野球を知るためには中学やリトルリーグも見る必要がある。そこで彼女は中学の試合を見に行って、不思議なチームを知ったわけだ。なんと、外野ゴロでアウトをとるチームだという。
その3人は近くの公立高校へ行くという。

その公立高校のメンバーにはいろいろ秘密があった。そして、新しい監督にも。続きを読む
ラベル:小路幸也
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2014年03月02日

柚木麻子 嘆きの美女 (2/2014) ☆☆☆☆1/2

【2500円以上送料無料】嘆きの美女/柚木麻子

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価格:1,575円(税5%込、送料別)



「嘆きの美女」これが、その掲示板の名前だ。自分が美女だと思う女性たちが、美女であることについての不満をぶちまけるページになっている。

美人でなくて性格もちょっと歪んだニートの耶居子(ヤイコ)は、嘆きの美女のオフ会があるのを知り、そいつらがどんな連中なのか写真を撮ってさらしてやろうとどす黒い欲求でその場所にこっそり行ってきた。
するとたしかに美女が並んでいる。その一方で、耶居子と同じ目的であろう男がいるのに気づいた。そしてその男を追って出たところで耶居子は事故にあってしまい、気づいたら入院していたのだった。それだけではない。行きがかり上、そのグループの元締め的な存在のユリエやその他の女性と同居することになってしまった。しかもユリエは小学校の同級生でもあったのだ…。

最初はストレスと自分自身への不満から、美女をいじめたいというどす黒い欲求だけで動いていた耶居子だったが、美女たちに囲まれるうちに、だんだん美女たちの気持ちもわかるようになってきたし、自分磨きもはじめた。そしてある日…。

荒唐無稽ではあるが、面白いからいい、と言える。
キャラクターもそれぞれ個性的で楽しい。映像化とかしても面白そうだが…。

お薦め度; ☆☆☆☆1/2 美女には美女の悩みがあります。本当です。


ラベル:嘆きの美女
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