2008年05月10日

新津きよみ わたしはここにいる、と呟く


わたしはここにいる、と呟く。

著者: 新津きよみ
出版社: 徳間書店
サイズ: 単行本
ページ数: 245p
発行年月: 2007年11月
ISBN:9784198624385
本体価格 1,700円 (税込 1,785 円) 送料別

わたしはここにいる、と呟く。

新津きよみの短編集。
女性を主人公にして、女性の心理を描いている。
タイトルは象徴的。べつに中の短編のどれかがその表題になっているわけではない。なにかに満足できない女性がそっとつぶやく一言だろう。

愛されているかどうかを知りたい女。復讐を考える女。
過去から決別しようとする女。過去にとらわれた女など。

それぞれ何か問題を抱えた女性が主人公になっている。
時にそれは複数の視点から描かれる。

この中で最も背筋が寒くなるのが「忘れはしない」という短編だ。
介護施設でヘルパーをやっている女性。意図的に、その施設に入居している一人に攻撃を仕掛けている。 それは、彼女の復讐だった。ずっと昔の。そしてその復讐は、別の女性にも向けられていく。  

この小説は女性でないと書けないのではないか。女性の恨みの恐ろしさをしっかりわかっている女性でないと。

もう一つの「恐ろしい」小説が「あなたの居場所」だ。これは、なんでもできるエリート女性と、その同級生で平凡な主婦にとどまった女性の比較の話だ。 無限の可能性を秘めた女性…その女性の幾末はどうなったのか。 この恐ろしさは、やはり女性の意地悪な目から見ないと描けないと思う。

全体的には、あまりに偶然が支配するものもあり、玉石混交、というのが正しいだろう。

ただ、上記二作のできがいいので、やはりお勧めだと言える。

お勧め度:☆☆☆☆1/2 女性はやはり怖いです。

わたしはここにいる、と呟く。


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タグ:新津きよみ
posted by 濫読ひで at 18:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家な行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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