
千年樹
著者: 荻原浩
出版社: 集英社
サイズ: 単行本
ページ数: 299p
発行年月: 2007年03月
ISBN:9784087748505
本体価格 1,600円 (税込 1,680 円) 送料別
千年樹
村にそびえる一本の木。
この木は、千年の樹齢と言われている。そして、人々の営みをみつめてきた。時にこの木は「ことりの木」と呼ばれる。
小鳥の木、ではない。子盗りの木だ。この木のまわりで遊ぶと神隠しにあってしまうというのだ。
この木の回りではいろいろなことが起こってきた。妻子を抱えた落武者が力尽きたり、空襲を逃れて少年が走ってきたり。あるいは自殺を考えてやっていた少年もいた。
これは短編集だが、全体を見るとつながっている。
そして、多くの物語が、過去と現在(あるいは近い過去)とを行き来する。 それぞれの時代の人間たちがどう生き、どう死んだか。そしてそれが現代の人間とどうかかわるかを描いている。
過去は忌まわしいものも多い。
だが、その過去があるからこそ、現在がある。
千年樹は、ずっとこの村、そして人間の営みを見守ってきた。
人間の愚かさも、じっと見てきたといえるのだろう。
お勧め度:☆☆☆☆1/2 静かな話が多いですが、それは決して平穏な話ではありません。「瓶詰の約束」などは、涙が出てしまいます。
千年樹
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ラベル:荻原浩