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一人称小説は難しい。
「天の声」がないかぎり、その語り手が存在しないところで起こっていることを描写することができないからだ。
それを克服する方法のひとつとして、登場人物それぞれに一人称の場面を設けるというのがある。
この「クドリャフカの順番」というのはそういうスタイルをとっている。
登場人物が沢山いて、それぞれの立場から話をつづっていくのだ。
場所は高校の学園祭。
この謎の怪盗?の行動を見抜く、という探偵小説といえばそういうものである。
その探偵役は安楽椅子ならぬ教室の椅子で模擬店の店番をしている。
「古典部」というよくわからない部に、大きな問題が起こる。
とはいってもそれほどの事件でもないのだが。
要するに、学園祭で売る文集を刷りすぎてしまったのだ。
売れなければ大赤字。大変だ!
そして学園祭に、別の事件が起こる。
「〇〇部から、XXは失われた」というメモとともに、物が消えるのだ。そして学園祭のパンフレットが落ちている。
その謎に取り組みつつ、文集をさばく古典部。
犯人は?そして文集は売れるのか? 安楽椅子探偵ならぬ、店番探偵のホータローの灰色の脳細胞が冴え渡る!
気絶、怪絶、また壮絶! (このフレーズを知っている人がいたらメールください)
というのが基本ストーリーだ。
学園祭のパンフレットなどを見ると、ああ、こんなこともやったかもしれないな〜などという感慨も沸く。
各人のキャラクターもそれぞれ面白い。どうやら、これは「氷菓」という作品の続編のようだ。
事件の内容も、人間関係もほほえましい。
だが、そこにはまた、ほろ苦さ、悲しみもある。
モーツァルトにかなわなかったサリエリの心境、とでも言おうか。
ちなみに「クドリャフカ」というのは、ソビエトの宇宙船の最初の宇宙犬だという。
だがこれには異説も存在する。ライカという名前は定着しているのだが、とこれは余談。
安心して読める小説だ。
みずみずしい気持ちで、読んで欲しい。
お勧め度:☆☆☆☆ 学園祭は文字通り「お祭りです。
付記:
読んだ人だけ以下を(少々のネタバレです)
なぜ、「姉貴」があの漫画「夕べには骸に」を持ってきたのか。それだけがわかりません。ご都合主義、ではちょっと説明として寂しいので説明できるかたはしてください。お願いします。






もうヨコジュンは荒熊雪之丞とか書かないんだろうなあ。
まさか荒熊雪之丞のことをご存知の方がいるとは!!あまり期待してませんでしたからね。
とりあえず過去の2つも機会があれば読んでみます。