2007年11月10日

山口芳宏  雲上都市の大冒険 (11/2007) ☆☆☆☆


雲上都市の大冒険

著者: 山口芳宏
出版社: 東京創元社
サイズ: 単行本
ページ数: 394p
発行年月: 2007年10月
ISBN:9784488023973
本体価格 2,200円 (税込 2,310 円) 送料別
楽天;雲上都市の大冒険
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鮎川哲也賞の受賞作。
とにかく長い!

舞台は戦後の東北の炭鉱町。
炭鉱の地下牢にある男が閉じ込められていた。
そして二十年。 男は密室になった牢から脱走した。
東京から、探偵と弁護士が呼ばれた。弁護士の私は、助手として働くことになった。
のだが…もう一人、探偵が現れた。
そして起こる連続殺人事件。
三人は、この不可能犯罪を解き明かしていく。


新人賞の審査員は苦労するだろう。
作品をたくさん書けるか、というのも評価になるのかもしれない。
その一方、この作品をどう思うのか?というのは鮎川賞であれば当然議論になる。

笠井潔氏も評として書いていたが、はっきりいって荒唐無稽である。そしてトリックも驚異のもの、前代未聞と言っていいだろう。

こんな作品に、栄誉ある鮎川賞を与えていいのか?
それこそ、蛮勇といえるのではないか?

だが。時には蛮勇も必要だ。
まあ笠井氏のヴァンパイヤー戦争だって当然荒唐無稽なわけだ。もちろんそれはSFであり、推理小説ではないというのではあるが。

この作品が受賞したことは、評者たちがこの作家の将来に期待していることを示している。

私も期待したい。もっともっと荒唐無稽な作品群を書き上げてもらうことを。

審査員の蛮勇に感謝だ。

お勧め度:☆☆☆☆ 最後まで読んで、ありえない!と叫んでください。





ラベル:山口芳宏
posted by 濫読ひで at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家や行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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