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書店員ミステリーシリーズ。
書店のバイトの多絵が、数々の謎を解いていく。
多絵の推理は、あいかわらず冴えているし、本屋の描写もリアリティが高い。なんといっても作者は書店員でもあるのだから!
本の注文の状況とか、付録をめぐる問題とか、ビニールの入れ方、紐のかけ方など、実務を知っていないと出てこないような話が満載だ。
だから「本屋小説」(こんな言い方があるのかどうか知らないが)としての水準は高いと思う。
ミステリー度はどうか。
「君と語る永遠」 いい話だ。本屋を舞台にしたミステリーとしても、よくできている。
「バイト金森君の告白」本屋を舞台にしたロマンス。まあ、こんな感じかな。多絵のエピソードが笑える。
そして中篇の表題作「サイン会はいかが?」
これが惜しい。
本屋小説としては高水準だ。
ただ、ミステリーとしてどうだろうか? 少なくとも、犯人当てというミステリーではない。いろいろな事象を無理やりにぶちこんだ感じで、途中からのニュー・アーギュメントも多い。
そのため、「読者への挑戦」をするような作品ではない。
ミステリー度は落ちる(というより犯人探しは事実上できない)わけだが、本屋小説としては面白い。また、人々の感情の機微もなかなか洒落ている。
この物語がもっと正統派ミステリとしてフェアな犯人当てをできるように構成されていたら、五つ星だったかもしれない。
お勧め度:☆☆☆☆
本屋の舞台裏を垣間見られます。
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