2007年07月29日

清水 義範 ドン・キホーテの末裔 (7/2007) ☆☆☆1/2

ドン・キホーテの末裔ドン・キホーテの末裔
清水 義範

筑摩書房 2007-07
売り上げランキング : 49723

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


アマゾン: ドン・キホーテの末裔
楽天:ドン・キホーテの末裔

ドン・キホーテを知らない人は少ないだろう。
(小説のほうだ。狭いところにわけのわからない安いものが並んだ店ではなくて。)
だが、本当の原文に近い翻訳を読んでいる人は少ないのではないだろうか? あるいは原文を読んでいる人は。

ドン・キホーテというのは実は、セルバンテスが書いたのではなく、モーロ人の言ったことの聞き書きだ、という構成になっているんだそうだ。もちろんこの手法そのものがメタフィクションであり、セルバンテス自身が書いていることは間違いないのだが。

この小説の語り手は、ドンキホーテのファンである作家の独白からはじまる。そして語り手は、ドンキホーテのパロディを雑誌に書き始めたある作家に注目する。彼のことは好きではないが、作品には興味があるのだ。ところがその作者はなぜか「私」が彼の邪魔をしていると信じ込む。 そのうち雑誌原稿に名指しの非難が舞い込み…

そして私自身が決意する。ドンキホーテのパロディを書くことを。それをどう書くか、苦悩の末に形式を決めた私は、いろいろ書き始めた…


ドンキホーテをちゃんと知っていることがこの物語を楽しむのにはある程度有用だろうと思う。もちろん知らなくても楽しめるのだが。
作者はこの作品で、メタフィクション、それも入れ子になった形のものを作ろうとしている。そのアプローチは買いだが、実際の結末の部分はメタフィクションというよりはメタメタフィクションに近いような気がする(ヨコジュンのようだが…)

作者の意図はわかるが、もう少し綺麗な結末でつづってほしかった。

お勧め度:☆☆☆☆ ドンキホーテ、知ってますか?
ラベル:清水 義範
posted by 濫読ひで at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。