2007年06月02日

町山 智浩 パトリック・マシアス オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史 (5/2007) ☆☆☆☆

オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史
町山 智浩 パトリック・マシアス

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アメリカにもオタクはいる。
もちろん、アメリカの物についてのオタクが多い。たとえばスター・トレックのコアなファンはトレッキーと呼ばれ、かなりのマニア度を示している。
だが、それだけではない。 日本のアニメやマンガに「はまって」いるオタクも確かに存在するのだ。この本は、そういうアメリカのオタクの状況を概観している。
しかも自らオタクだと称するアメリカ人が書き、在米の新進気鋭のオタク評論家(?)が翻訳しているのだ。

実は最近、アメリカでかなりの変化が起こっている。普通の日本のマンガが翻訳されて売られているのだ。しかもちゃんとした(笑)本屋やビデオ屋で。 もしアメリカに行くことがあったら、街のショッピングセンターのDVDショップや本屋を覗いてみて欲しい。
DVDショップにはANIME というコーナーがある。そこには日本のおなじみアニメが多数並んでいる。それに、本屋には、日本のマンガの翻訳版が並んでいるのだ。これはなんだ?というような知らないマンガから、「ドラゴンボール」のようなおなじみのものまで。

これは、アニメやマンガが「オタク」の枠を乗り越えてファンを獲得しつつあるということを示しているのだろう。

それはともかくとして。
本書は、筆者の自伝的な事項をおりまぜつつ、日本のサブカル的なマンガやアニメがアメリカでどう扱われてきたか、ということをつづっている。

たとえば「ウルトラセブン」はコメディーとして扱われたのだ、とか「キカイダー」の俳優はなぜかハワイでは国賓級の扱いになった、など意外なエピソードが満載だ。

その中でやはり、アメリカ化される、ということがどういうことだったのか、がかなり考えさせられる。
アメリカ人は字幕を読めないからどうせ何でも吹き替えになる。
アニメならなおさらだ。 だが、だからといって原作のテーストをすべてなぎ払い、アメリカに受ける(はずだった)コメディにしてしまうというのはかなりの冒涜だった。
ひどいものとしては、ダンガードA,コンバトラーV,勇者ライディーンという3つの作品をまぜてひとつのものにしてしまったという!

こういう時代を経て、AKIRAや甲殻機動隊のようなヒットが出て、日本のものがストレートにアメリカに入る時代がやってきた。そして今に至っているのだ。

他にも、ピンク・レディーがアメリカでどういう扱いを受けたかというような衝撃のエピソードや、飯島真理がアメリカでなぜ受けたかというような面白い話が満載だ。

アメリカにおけるオタクやアニメの状況を知りたい人には、非常に興味深い本になっていると言えるだろう。(興味のない人にはつまらないだろうが。)

翻訳も非常にこなれていて読みやすい。たぶん原語を汲み取った大胆な意訳もなされているのだろう。

惜しむらくは、どうせなら翻訳においてアニメキャラの人名は正確なものにしてほしかった。たとえば、ノア・ブライトとか、イカリ・シンジというような言い方はされないのだ。ここはしっかりした編集がついていれば修正できたはずだろう。
ただ、それはこの作品の価値を損なうほどのものではない。

お勧め度:☆☆☆☆ この作者、「宇宙からのメッセージ」を見ているんですよ…すごすぎ。

ラベル:町山 智浩
posted by 濫読ひで at 21:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家ま行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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