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楽天ブックスより
商品説明
「船に乗れ!」作者、十年越しの代表作!
雪踏文彦。
ひとは、みな、彼のことを親しみを込めて「せった君」と呼ぶ。語り手である作家・島崎哲も、親友である彼をそう呼んだ。小学校ではじめて出会い、いつもどこかぼんやりしているようだったせった君は、幼少期から音楽の英才教育を受けていた島崎が嫉妬してしまうほどの才能を持っていた。
中学、高校と違う学校に通ったふたりは、あまり頻繁に会うこともなくなったが、大きな挫折をしたばかりの島崎を、ある日、偶然、目の前に現れたせった君のことばが救ってくれる。やがて、再び意気投合したふたりは、彼がピアノを弾いている一風変わったバーで行動をともにするようになった。
音楽のことしか、ほとんど考えていないせった君だったが、やがて恋をして、彼がつくる音楽にも変化が見られ始めた。そんなある日、彼らの前に、妙な男がちらつくようになった。彼は、せった君の彼女・小海が以前、付き合っていた男だった。そして、事件は起こった。
【編集担当からのおすすめ情報】
デビューから十年近く構想を練り続け、ついに辿り着いた著者の新たなる代表作です。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
音楽に人生のすべてを懸け、ちょっと、全力で恋もした。若き天才音楽家・せった君の三十年の人生。
音楽を志し、チェロの道をめざしそして挫折した『私』島崎哲。
幼い頃からの友人、せった君は実はピアノの天才だった。
でもせった君の家はピアノで生きていくことを許してはくれない。
一方筆者の家は音楽一家。自分も音楽を目指すが、才能の限界をみて挫折する。
せった君は言う。島崎君は音楽大学を受験するのをやめたんだよ。音楽はやめてないよ」
そして、事件は起こる。
身勝手な男によって。その男の身勝手さと理不尽さは、読んでいて腹が立つほどだ。
そこが、作者のうまさでもある。
「船に乗れ!」以来の自分を投影した作品なのだろうが、より陰鬱な、あるいは不思議な作品となった。
おすすめ度:☆☆☆☆ 結末をどう見るか、事件をどう見るか。それで好き嫌いは分かれそうです。



