【送料無料】裸色の月 [ ヒキタクニオ ] |
ヒキタクニオの傑作。
最初はべつにそうは思っていなかったが。
主人公、省吾の職業は「消し屋」だ。人を殺し、その痕跡もとどめないようにするのが仕事になる。ときどき戸籍も変えて名前も変える。
そんな省吾が裏社会とつながる政治家から受けた今回の依頼は、ある宗教団体の教祖が本物かもしれないので見定めて、必要に応じて処分する、ということだった。
教団に入りこんだ省吾は、そこで教祖の孫で魅力的な若者、遥介と会う。
遥介のボディガードになった省吾は、知り合いの聡明な女性、麻を呼び寄せう。
教団で遥介が始めたことは、なんと宗教のM&Aだった…
面白い。
暴力団と政治家が癒着するとか、政治家と宗教がかかわるとかはよくある話だ。
だが、「宗教団体のM&A」というのは言われてみるとありえるが、考えつかなかった。
それをすすめるためにはどうしたらいいのか…なかなか発想が面白い。
一方、ちょっと弱いかな、という設定もある。たとえばHTたちの行動などだ。そして轟のその後の彼らへの処遇に対して、HTらがどう行動するのかは気になる。
と、いろいろ突っ込みどころはあるということを認めた上で。
傑作だ。面白い。
正直、ヒキタクニオの作品の中では一番好きだ。 My name is Taketoo なんかもあるが、この本のほうがずっと面白い。
血なまぐさいシーンもあればツッコミどころのあるシーンも正直ある。
だがそれを上回るのが、エンターテインメント性、ということだ。
平たく言えば「面白ければいい」のだ。
読了して思った。傑作だ、と。
最初はそれほどでもないし、途中はバイオレンスなどのシーンもあるのだが、とにかく終わってみたら面白かった、という作品だ。
おすすめ度:☆☆☆☆1/2 宗教団体のM&Aはどうしたら実現できる?



