2013年12月01日

中村文則 去年の冬、きみと別れ (11/2013) ☆☆☆☆



海外でも人気が出始めている中村文則の作品。

「僕」の視点だったり、「資料」として手紙形式になっていたり、それぞれの章によって視点が変わるので、それに慣れる必要がある。

「僕」はある死刑囚について取材の上で本を出す仕事を引き受けた。 だがそれは簡単なことではなかった。
その死刑囚はカメラマンだった。姉がいる。死刑囚からの手紙は、姉に対して出されたものもある。
彼の死刑判決の理由は、連続殺人。最初は事故かと思われた。だが二度連続で人が死ぬ場合には事故ではないと見られる。

彼が殺した理由は何か、また彼の姉は何を考えているのか、そして「僕」は作品を仕上げることができるのか…

人間の感情がからみあい、また叙述トリック的な部分もあったりしてかなり読み手がまごつく可能性も高い。だがこれは作品をより複雑かつ面白くしていることは確かだ。


最後には「どんでん返し」のような意外な結末も待っていたりする。
本格推理小説とはちょっと違うが、推理小説としても面白く読める。

ただし、人間の狂気を描いた作品であることだし、読み手を選ぶ可能性もある。
また、少なくとも、朝の通勤電車で一日の始まりに読む作品ではない。一日のはじめを陰鬱な気分で過ごすのは、よろしくない。

これからは彼の作品を朝のうち手に取るのはやめることにする。

お勧め度:☆☆☆☆ 夜に、いろいろな想像をしながらゆっくり読んでください。


ラベル:中村文則
posted by 濫読ひで at 14:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家な行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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