2013年08月31日

石持浅海 カード・ウォッチャー (8/2013) ☆☆☆☆



石持浅海の作品。
登場人物を嫌いにならずに読めた。

ゴム会社の研究所に労働基準監督署の臨検が入った。
労災が隠されていた、という通報があったからだ。

実際は椅子が壊れて倒れただけではあるが、その研究所では実はサービス残業が日常化していた。
関係者はそれを隠そうかとも考えたが、タイムカードはみんなまとめて同じ時間に総務が処理しているし、あまりにあからさまな形のため、むしろ工作はこれ以上しても無駄になってしまう。

というわけで総務は臨検のための準備をしていたが、その中で一つ問題が起こった。

なんと、メンバーの一人が倉庫で死んでいたのだ。
もしこれが過労死なら、会社もただではすまない。
労災かくし、とかいうレベルではなくなるからだ。

そこで関係者がとった行動とは…

多分シリーズものの一つなんだろう。
謎ときをするのは北川という労働基準監督署の人間だ。
彼はなんでもお見通し。

いろいろなところから情報をつなぎあわせて正しい結論を導いている。

この推理小説は、倒叙ものではない。
一瞬そう見えたが、実は違っていた。
しかもその裏にある真相は、石持浅海らしく、とても人の悪いものだ。

ネタバレはもちろん避けるが、登場人物の意図が正反対の結果を生むことになった、それを本人はぎりぎりまで気づかない、という形になっている。

お勧め度:☆☆☆☆ 労基だってお役所です。自分の仕事に必要なことをまずやる。たとえそれがほかの役所の行動を成約しても。


posted by 濫読ひで at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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