2013年06月29日

中村文則 迷宮 (6/2013) ☆☆☆☆

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僕は事務所で働きながら試験勉強をしている。そんなとき突然ある男に声をかけられた。前の夜、ある女性と一緒だったが、話を聞かせて欲しいと。

その女性のアパートへ行っていたが、初めて会った相手だった。
実はその女性は、10年前の迷宮入りした一家殺人事件の遺児だった。父母と兄が殺され、12歳の彼女のみが生き残った。

防犯カメラがあって、その家には鍵がかかっていた。一家心中ではなく殺人だった。玄関はチェーンで施錠されていた。
彼女は睡眠薬を飲まされている。また、両肩につかまれたような痣もある。

いったい何があったのか。そのまま事件は迷宮入りしていた。
僕はその事件、そして彼女に興味を持つ。
彼女との關係を継続するうちに見えるような見えないような真相。
果たして何が起きたのか。


だがこの小説は謎解きミステリーではない。もちろんその要素はあるが、むしろミステリー仕立ての心理分析小説と読むべきだろう。

何かが足らず、それを求め続ける男女が、彼女の奥にある秘密、あるいは真実をめぐって傷つけあうという小説と言うほうがよい。

人は人を傷つける。肉体的だけの話でなく、精神的にも。追い詰められた家族はどんな方法を取って何をしたのか。それも謎解きの中で明かされていくが、トリックの説明というよりは、追い詰められた人々のとる逃げ道、というほうがしっくりくる。

謎解きそしてエピローグ。
これが読者の意に沿うかどうかはわからない。
人によっては受け入れにくいかもしれない。もっと悲惨な結末であるべきだというかもしれない。
だが、人間は説明できないことをする。
それを考えると、この二人の行動はもしかしたらとても人間らしいのかもしれない。

お勧め度;☆☆☆☆  あくまで心理描写小説です。


ラベル:中村文則
posted by 濫読ひで at 13:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家な行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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