2013年05月04日

山本幸久 幸福トラベラー (5/2013) ☆☆☆☆1/2



多感な中学生の一日を描いた作品、といえばいいだろうか。

中学三年のぼく、小美濃(こみの)春生はある日、カメラを持って上野公園をうろついていた。
新聞部の部長として記事の材料にする写真を撮るためだ。
そこで、修学旅行できている女の子、行方さんに出会った。
ぼくはその日を彼女と過ごすことになった。

ぼくと彼女は話しがとてもあった。特に、ロアルド・ダールについて話し込んだ。チョコレート工場の秘密については、映画二本と原作についてを。マチルダのことも、「あなたに似た人」のことも。

ぼくは彼女の写真をたくさん撮った。彼女は彼女で理由があったから。
だけど…

山本幸久ワールドの人物たちがちょい役で登場する。たとえばアヒルバスのデコや、「幸せロケット」の香な子など。

青春、という感じで胸キュンものの小説に仕上がっている。中学生が読んでも大人が読んでも楽しめる。
僕自身でいえば、ロアルド・ダールが好きだし、チョコレート工場の秘密については映画を二本とも見ている。また、「あなたに似た人」は彼らと同世代のときに、たぶん同じ田村隆一訳で読んでいる。

だからこの二人にとても共感してしまった。

小美濃くんの両親は中学時代に上野でデートし、そのまま結婚した。
同じことが、きっと彼にも起ころかもしれない。
作者はそう暗示している。そして読者もそうあってほしい、と願うのだ。
ロアルド・ダールの話を伝えていくためにも


お勧め度:☆☆☆☆1/2 奇跡、あるいは信じられない偶然を期待するのも人生です。


ラベル:山本幸久
posted by 濫読ひで at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家や行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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