2007年03月03日

林 真理子 ウーマンズ・アイランド (2/2006) ☆☆☆☆

ウーマンズ・アイランドウーマンズ・アイランド
林 真理子

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私は、林真理子のエッセイが嫌いだ。あるいはこの人が嫌いと言ってもいいかもしれない。

なぜか。彼女は他人に厳しい。その癖自分にはきわめて甘いからだ。

アグネス論争を覚えているだろうか?アグネス・チャンが子育てをするのに日本は大変だ、なぜなら子供をつれていける施設が少ないからだ、という話をしたときに林真理子は「なぜ子供づれの親にだけ優遇するのか?介護する親が居たらどうなんだ。親を連れていけないからといって文句を言うのか?」という反論をした。もちろんほかにもいろいろあったわけだが。

あるいは、オペラを見てブラボーという連中のことをブラボー・ウィルスと呼ぶ。 

いろいろなエピソードがあるが、それらは別に単独では悪くない。視点としてはそのとおりの部分も多い。

ただし。その一方、彼女はいろいろなことを試し、失敗したりまわりから注意され、それをネタにしてエッセイを書いて売る。そのときに彼女が描く自分は、「ミーハーでおばさんだけど好奇心が強い。失敗もするけど回りは暖かく見守ってくれる」パターンだ。

他人に対してはきわめて厳しい非難をする一方、自分が失敗してもそれについてはべつに根本的な解決をしようとしない。 

それこそ、直木賞の選考で横山秀夫に対してとった態度なども同じだ。http://homepage1.nifty.com/naokiaward/kenkyu/kenkyu_128YH.htm

と、非難の前書きがあったうえで、この本。

東京の、テレビ局がある地域(島)で生活する女性たち11人、そしてその女性たちと何らかのかかわりをもつイケメン俳優深沢裕人のそれぞれのエピソードを記している。

この連作は面白い。裕人のようなスターとかかわりをもてる女性たちの行動はまちまちだ。ある者はセックスをし、ある者はただ話をする。そして裕人が何を思っているかが最後に明かされる。

なぜ面白いか?それは、林真理子が、女たちの欺瞞に容赦ないからだ。人を非難することに長けた彼女なら、それぞれのキャラクターを傲慢に描き出すことができるから。プライドだけの、鼻持ちならない女のことを、本音のように描き出せる。

たぶん、小説のなかで描かれた事実関係の中には、リアリティと違うものもあるだろう。それを調べる気力もないし、調べて指摘したところで、小説は事実とは違うんだから、といって笑い飛ばされるだろう。直木賞のエピソードとは関係なく。

そう思うだけで、また私は林真理子が嫌いになる。

だがこの連作集は面白い。女の勝手さを勝手な女が描いているからだ。

お勧め度: ☆☆☆☆ 林真理子がもっと美人だったら、きっとこの連作は生まれていないでしょう。

ラベル:林 真理子
posted by 濫読ひで at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家は行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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