2006年12月09日

唯川 恵 息がとまるほど (12/2006) ☆☆☆☆1/2

息がとまるほど
息がとまるほど唯川 恵

文藝春秋 2006-09

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唯川 恵 の短編集。
女性は、どうしてこんなに女性に意地が悪くなれるのだろうか。

作者から登場人物を描く描き方もそうだし、登場人物どうしの関係も確執があるものが多い。
たとえば、「無邪気な悪魔」上司の松永と不倫している朋絵は、二人でいる現場を部下の美保に見られる。それが彼女の恋人の新木に知られると、新木と別れなければならなくなる。美保は、自分の結婚式で、「とっておきの秘密をばらす」といって、思いがけないカップルの話をする、と言う…

「ささやかな誤算」バーのチイママ、珠子はとびこんできたサキエの面倒をみる。サキエはそのまま居付いてしまう。珠子がサキエを育てていくが…

このなかで特に残酷なのは、「残月」だろう。
自分のほしいものが手に入らない女と、自分がほしいものを知らない女と、どちらが不幸だろうと、諒子は時々考える。ほしいものの多くを、諒子は手にしてきた。手に入れられなかったものは、結局欲しいものではなかったのだと、ただしく自分を納得させることができる…

そして諒子は、あるとき、ふた回り近くも年下の男に、細かな泡のような興味を抱く…


作者が想定する読者は、おそらく30代、40代の女性だろう。
日常に不満のある既婚者、あるいは仕事を頑張っているが、満たされない思いをもつ独身か。

そのどちらに対しても、彼女の筆致は容赦ない。いや、正確にいうと、やわらかう表現をしているからこそ、その内容の残酷さが伝わってくるのだろう。

読んでいて、女性は、自分の姿を投影するのだろうか。それとも、他人の不幸は蜜の味、として自分の境遇に満足するのだろうか。

お勧め度:☆☆☆☆1/2 オンナは怖い!


ラベル:唯川 恵
posted by 濫読ひで at 12:04| Comment(0) | TrackBack(2) | 作家や行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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