2012年06月03日

楡周平 虚空の冠 上下(6/2012) ☆☆☆☆☆ 

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楡周平の力作。
大きな話が二つ。戦後の日本の話と、それから現代の話だ。
その二つを結びつけるのが、伝書鳩、ということになる。

渋沢大将(ひろまさ)は、駆け出しの新聞記者として極東日報に居た。
当時は戦後GHQの支配下にあり、あらゆる原稿は検閲の対象となっていた。

渋沢は、島の大火事の取材のため、船に乗り込む。濃霧の中、その船は米軍の船に衝突し、沈没するが、渋沢は一人だけ生き残る。その意味は何か…

現代の日本。新原亮輔は、日本第三位の通信事業会社、グローバル・エレコムの常務だ。
創業からの仲間、芦野が話をもちかけてきた。
新事業を打ち立てようと言うのだ。 それは、携帯端末を無料で配布し、電子出版プラットフォームにしよう、という壮大な計画だった…

この二人が、それぞれの時代で活躍していく話になる。



楡周平の小説は、つねに現代を見つめている。
そして取材も深い。それは彼自身がビジネスマンだったからだろう。

この小説が連載され出版されたのは2008年から2011年のことだ。
ちょうど電子書籍元年と言われたのは2010年。アマゾンのキンドルが世に出て、普及していく時期と機を一にしている。
楡周平は、電子書籍の業界の事情を調べあげている。彼自身作家として出版社といろいろな議論をしているだろう。

私自身も電子書籍にはそれなりに思い入れがあるので、この小説はわくわくしながら読めた。
だが、しいていえば、この小説は二つに分けて出してもよかっただろう。ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京のように。
戦後の渋沢の話と、新原の話は分けて描いても十分だったと思う。
渋沢の話は、それくらい読み応えがある。

新原の話は現代の電子書籍の動向がまだはっきりしない中での近未来予測が入るので難しい部分が大きい。
実際にこうなるかはわからない。
だが楡周平はチャレンジしている。「ラスト・ワン・マイル」でネットの世界の近未来予測に挑戦したように、今回も電子書籍の未来に挑戦している。
実際にどうなるかは数年後に答えが出るだろう。

おすすめ度:☆☆☆☆☆ 面白いし読み応えがあります。


ラベル:楡周平
posted by 濫読ひで at 13:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家な行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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