2006年09月09日

高田 崇史 QED 鬼の城伝説 (9/2006) ☆☆☆☆

QED 鬼の城伝説QED 鬼の城伝説
高田 崇史

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QEDシリーズ。語り手は薬剤師の奈々だが、探偵役は、彼女がひそかに思いを寄せる変な男性、崇(別名タタル)だ。

岡山県の鬼野辺家にある釜は、自然に鳴ることがある。そして、釜が鳴ると、主が死ぬ、という伝説があった。そして釜が鳴り、当主の健爾が、土蔵のなかで、首をもがれた状態で発見されたのだ! しかも発見者は、婚約者の明日香だった。

事件はほぼ迷宮入りになった。明日香の友人たちは、奈々の妹の沙織(出版社勤務)とコンタクトする。 そして、取材と夏休みを名目に、沙織、明日香、小松崎、タタルの4人は、現地入りした。

待っていたのは、桃太郎と鬼伝説、そして続いて起こった殺人だった。
タタルは謎を解けるか?



作者は現役の薬剤師でもある。QEDシリーズと千葉千波シリーズなどを書いている。QEDとは「証明終わり」という意味ではあるが、実際中身は文系の話が多い。
今回は、桃太郎伝説の話だ。桃太郎はいい人、鬼は悪い奴ら、と簡単に決めていいんだろうか? 犬猿雉はなぜこの3つなのか。 など、大胆な仮説と緻密な文献調査に基づいて議論が展開されていく。

その一方、犯人探しのほうは、ある程度は伝説にかかわるが、どちらかというと密室殺人の解決とアリバイ崩しなどに近いといえるだろう。

素人探偵が事件の詳細に近づくことは実際は難しいだろう。だがそういう設定を乗り越えて考えると、いろいろおもしろい話だと思う。また、歴史や文学が好きな人には、その部分でも十分に楽しめる話だろう。

凄惨な事件でなくて、もっと瑣末な事件がおきるほうが読んでいると安心はする気はする。ただ、読者を集めるためには「殺人事件」というのが必要なのかな。

お勧め度: ☆☆☆☆ 鬼は悪くないかもしれません。



posted by 濫読ひで at 12:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家た行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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