2010年09月26日

山本幸久 床屋さんへちょっと (9/2010) ☆☆☆☆1/2

床屋さんへちょっと

床屋さんへちょっと

価格:1,575円(税込、送料別)


* 山本幸久
* 集英社
・ISBNコード: 9784087713107

意外な構成で出来ている短編集。
しかも、意外なエピソードでつながっている。

最初の話は、祖父の勲と孫の勇が、墓地を見に行く話になっている。墓地のセールスマンから逃げ出して、二人で床屋に入る。そして、勲のほうの頭をやってくれた女性が、実は三代目の主人であり、初代の思い出話をする。




その次の話を見ると、あれ?と思う。ちょっと時間がもどっているのだ。
そして読みすすめると、長女の香がどんどん若くなっていく。その中で、
最後のエピソードで、時間が進む。

それらをつないでいるのは、床屋だ。
だが、すべて別の床屋になっている。 山本甲士の作品で、同じ床屋にくるいろいろな客の話があったが、そのパターンではなく、主人公が床屋に行くことがエピソードの展開になっていくのだ。だからこそ「床屋さんへちょっと」という表題作が冴える。

勲はナメタリーナというお菓子を作る会社、シシクラ製菓の社長だった。しかし会社を潰してしまったのだ。現在から過去へ遡るうちに、いろいろなことがみえてくる。
勲は経営者としては失格だったかもしれないが、人間としてはどうだっただろうか。

最終話を読むことで、全体の構成が際立って見えてくる。
こういう形も、なかなかいい。

おすすめ度:☆☆☆☆1/2 ウキウキヶ丘へ花見に行きましょう。

床屋さんへちょっと


ラベル:山本幸久
posted by 濫読ひで at 10:56| Comment(0) | TrackBack(1) | 作家や行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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床屋さんへちょっと 山本幸久
Excerpt: 働くことを通してつながる、父と娘の物語。親から継いだ会社を倒産させ、その後再就職して働き続けた男と、そんな父の背中を見て働くことに夢を託すようになった娘。会社で、家で、時に床屋で交わされた二人の.....
Weblog: 粋な提案
Tracked: 2010-12-10 16:25
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