2010年09月18日

黒木亮 排出権商人 (9/2010) ☆☆☆☆

排出権商人

排出権商人

価格:1,785円(税込、送料別)


* 黒木亮
* 講談社
・ISBNコード: 9784062159173

力作。その一言に尽きる。

排出権商人。
文字通り、排出権を売買する商人のことだ。
排出権と言われても、なんとなくしかわからない人が大部分だろう。
ある程度知っている人でも、関係者で無い限りは、CDMといわれるくらいのところでもうお手上げではないだろうか?

金融・経済分野に造詣の深い筆者だからこそこの作品は描かれたといえるだろう。


排出権、というのはCO2を排出する権利を指す。地球温暖化防止のために、二酸化炭素の排出を抑える必要がある。各国が枠を削減され、それを超えるような場合には、枠の余っているところ、あるいは新たに二酸化炭素の削減が可能になるプロジェクトから「排出権」を買い取る必要が出てきた。 日本は、京都議定書により、実現不能な約束をさせられ、その分は強制的にでも排出権を買い取るしかなくなってしまった。


新日本エンジニアリングの松川冴子は、地球環境室長として排出権ビジネスの担当になった。
彼女はアジア、アフリカ、中東と飛び回り、排出権を国連に認めさせるプロジェクトをつくろうと奔走する。
その一方、新日本エンジニアリング本体は、役員の暴走によりメンバーに過度の負荷をかけており、また損失を隠蔽していた。

そこへカラ売り屋が事実をつかみ、株式に手をつける…。

かなり綿密な取材をしているのだろう。
それにくわえて、金融知識がものを言い、非常に大掛かりな、そして一気に読める大作に仕上がっている。

金融関係に籍をおいたことのある人、それから商社その他、エネルギーや排出権にかかわったことのある人は皆興奮しながら読めるのではないだろうか。

以下のページ経由で、作者インタビューも読める。それをあわせて読むと、なお楽しめるだろう。
排出権商人

おすすめ度:☆☆☆☆ 排出権市場というのは思惑で動きます。
排出権商人


ラベル:黒木亮
posted by 濫読ひで at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家か行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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