2006年03月26日

山本 弘 まだ見ぬ冬の悲しみも (3/2006) ☆☆☆☆☆

まだ見ぬ冬の悲しみもまだ見ぬ冬の悲しみも

山本 弘


早川書房 2006-01

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まず断っておこう。
私は「SF者」ではない。 ちょっと説明が必要かもしれない。
SF(サイエンス・フィクション)を好きな人は世の中に多い。
私の世代でも結構たくさんいるはずだ。
私は、SFが嫌いではない。死んだ祖父の形見には「スカイラーク」(レストランじゃないよ)シリーズが早川と創元の両方あったし、私自身、鶴書房の本はあのシリーズ全部読んだ(わかる人にだけの話で恐縮です。)デューンも子供たちまで読んだしレンズマンも読んだ。 フレデリックブラウンも読んだ。ノースウェスト・スミスだって読んでいる。
しかし、私はSF者ではない。かたくなに言う理由は、知識のレベルが違いすぎるのだ。私はハインラインを読んだことがない。アシモフといえば、「黒後家蜘蛛の会」だ。こんなSF者なんか居ない。


さて、この本の作者のことは私は「と学会」(知らない人は知らなくて構わない)の人、としか知らなかった。
だが、読んでノックアウトされてしまった。まさか、この本に五つ星をつけることになるとは思ってもみなかった。
かなり自分のツボにはまった作品集だったからだ。

これは短編集だ。最初のタイトルは「奥歯のスイッチを入れろ」だ。この一言で「加速装置」という単語が出てくる人は多いだろう。知らない人のためにいうと、これは「サイボーグ009」というコミックで使われたパターンだ。
鶴書房のジュヴナイルにも実はあったパターンだが、要するに、普通の人たちよりも速いスピードですごすことが何を意味するのか、慣性なんかはどうなるのか、というのを科学的に、というかもっともらしく検証してかかれたものになっている。なかなか面白い。

「メデューサの呪文」これがすごい。物書きであれば、だれでも、自分の書いたもので世の中を動かしてみたい、という気持ちを持つのではないだろうか。この作品では、その夢をかなえることができるかもしれない。
筆運びもうまいし、これは物書きのロマンともいえる。素晴らしいと思う。

これだけでも5をつけようと思っていた。そして最後の作品。
完全にやられてしまった。
舞台はアメリカ。ヘンリー青年は、クリスティーナという女性に会った。
そのクリスティーナとは、実は…
ここで出てくる一つの単語に思いをはせる人々は多いだろう。だからこそ、ここではあえて言うのを避けておこう。同じような思いを味わってもらうために。

お勧め度:☆☆☆☆☆SFが好きと思える人たちのための正統派です!




posted by 濫読ひで at 01:09| Comment(0) | TrackBack(1) | 作家や行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: まだ見ぬ冬の悲しみも山本 弘 早川書房 2006-01by G-Tools 基本的には正統派というか、古典的なSF短編集。 だから、アイデアにも世界観にもストーリーにも、新鮮味はないです。そ..
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