失恋延長戦
* 山本幸久
* 祥伝社
1,400円 (税込 1,470 円) 送料無料
・ISBNコード: 9784396633363
名手、山本幸久の描く話。
米村真弓子は高校生。放送部に所属している。いいな、と思う相手は同じ学年の大河原君。 彼はだれにでも優しい。 藤崎というクラスメートはなぜか真弓子をライバル視している。
全体の中で意外に役割を果たすのは、犬のベンジャミンだ。真弓子の飼い犬なのだが、人間の言葉がわかるかのように行動する。実際心のなかでは人間に話しかけている。そして真弓子はある程度それがわかるのだ。
地元のラジオ局のオーディションを受ける話とか、藤崎がいろいろちょっかいを出してくるエピソードなどが順番に。
そして大河原君を好きでも告白できなかった真弓子には衝撃だが、大河原君に蔦岡というガールフレンドができる。彼女はちゃっかりしていて、真弓子を使って自分が思うようにしようとする。不器用な真弓子はそれに抗えなかったりする。
真弓子は「不器用」。それがたぶん正しい言い方なのだろう。高校を出ても、不器用な毎日は続く。そしてもう一人、不器用な藤崎。 彼女はいつのまにか、真弓子に頼っている。そしてそれを真弓子は嫌いではないのだろう。なぜなら東京で彼女は大胆な行動にでるのだから…
全体的にゆっくりなトーンで話が進み(いや進まず)、真弓子の不器用さにより恋はなかなか成就しない。人生もそれほどうまくいかない。だがそれでも真弓子に魅力があるのは、彼女のことを暖かく見守りたい、と思えるようなキャラクターだからなのだろう。そして、そう思うのは読者だけではない。彼女を最も愛しているのは、ベンジャミンなのかもしれないのだ。
おすすめ度;☆☆☆1/2 最後のエピソードはとてもいい文章です。
失恋延長戦
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