2010年03月22日

楡周平 ゼフィラム (3/2010) ☆☆☆☆


ゼフィラム
楡周平
朝日新聞出版
1,600円 (税込 1,680 円) 送料無料
発行年月: 2009年12月
ISBN: 9784022506771

ビジネス小説を書かせたらやはり楡周平は天下一品だ。
とくにこれは長期連載されたのだが、連載が進むうちに世界の状況が変わってきて、それに対応してプロットも変わっていったのだと思う。
今回のテーマは「エコ」あるいは「CO2」だ。

日本自動車工業は、あらたなハイブリッド車を開発したが、競合他社との違いはあまりない。 それをプロモートするために何かいい策はないか? CO2削減にこの会社が何かをしている、ということを宣伝するにはどうしたらいいか… 社長の牧瀬がたどりついたのは、アマゾンの原生林だ。 アマゾンを保護することにより何か会社のイメージを上げたり宣伝をすることはできないか? 牧瀬の命をうけ、若い栗林絵里香が奔走する。

おそらく、作者が当初に考えていたアイディアは、作品内に牧瀬が言っていたことなのだろう。そして取材を続けるうちにその実現性の困難さを知り、路線を変えたのではないか。あるいは、べつな解決策を当初用意しておいたが、取材を続けるうちにこちらの方向のほうがリアリティがありそうだ、ということで変更したのかもしれない。タイトルの「ゼフィラム」はゼロという意味だが、よく似た単語「ゼフィラス」は風の神であり、風力発電を彷彿とさせるからだ。

実際はなかなかありえないものではあるが、それを感じさせずになるほど、ありそうだと思わせるのはさすがの筆力だ。
「再生巨流」や「ラスト・ワンマイル」などを彷彿とさせる。

無意味な政府の電子書籍対抗会議などに出るよりは、どんどんこんな小説を書いていって欲しい。

おすすめ度:☆☆☆☆ 私が自動車会社の社長だったら、環境が許すならこのアイディアに乗るかもしれません。

楡周平の作品いろいろ
http://bit.ly/d7YPti

ゼフィラム


ラベル:楡周平
posted by 濫読ひで at 10:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家な行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。