2009年08月16日

島本理生 君が降る日 (8/2009) ☆☆☆☆


君が降る日
著者: 島本理生
出版社: 幻冬舎
サイズ: 単行本
ページ数: 258p
発行年月: 2009年03月
ISBN:9784344016569
本体価格 1,300円 (税込 1,365 円) 送料無料

君が降る日

「君が降る日」「冬の動物園」「野ばら」の3つを収録している。

表題作は、恋人が死んでしまった女性と、その恋人の親友、それから恋人の小さな弟の3人が形成する悲しく静かな物語だ。

降一は、ドライブをしていて、ハンドルを切り損ねて死んだ。 同乗者は、彼の親友の五十嵐だ。 志保は、なかなか降一の死をうけとめられない。 そんなとき、彼の母親から頼まれた。五十嵐が責任を感じて、ただでいいから店で働きたいと言っているが、気づまりなので一緒に来てほしいと。
そして、悲しみにくれる志保と、責任感にかられる五十嵐の哀しい関係が始まった。 二人は決して恋人どうしではないし、そうはならない。間に降一の死が介在しているからだ。

そして五十嵐は博多へ転勤する。 だが、志保は自分の中で決着をつけるため、博多へ飛ぶ…


男の立場からするといらいらして頭にきた「ナラタージュ」と違い、この話はすんなり受け入れられる。
やはり、間に死が介在しているのなら、そう簡単に男女の関係にならないのは当然だから。


一方、「野ばら」のほうは、やはり怒りたくなるような話だ。 
男女の間の、恋人ではない関係。
女性の部屋に泊めても、何もない関係。

これは男性が「草食男子」だからではない。
彼女があえて男性を拒む、というかそういう対象としていないからだ。
最後のことばに、それが凝縮されている。

私たちは、あの雪の日から、別れると言えない関係を紡いでいたのだと、初めて気づいた。ただ一つの、好き、だけが欲しい思春期にとって、それがどんなに棘だらけの野ばらだったか、私は知らなかった。
 きっと祐だけが知っていた。


知らずに男性を傷つける。 男は単純だから、愚直なまでに女に翻弄される。 感受性の強い男は、ずっとそうなのかもしれない。


お勧め度:☆☆☆☆ 女性には受けそうです。 

君が降る日


ラベル:島本理生
posted by 濫読ひで at 00:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家さ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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