2009年08月09日

佐藤正午 身の上話 (8/2009) ☆☆☆1/2


身の上話
著者: 佐藤正午
出版社: 光文社
サイズ: 単行本
ページ数: 373p
発行年月: 2009年07月
ISBN:9784334926717
本体価格 1,600円 (税込 1,680 円) 送料無料
身の上話

宝くじを買いに行った、地方都市に住む、東京からの出張者の豊増と不倫中の女性事務員ミチルは、彼を見送りに行きがてら、東京まで行ってしまった。
ミチルはそのまま、東京に居続けようとする。 そこへ、彼女の婚約者の久太郎が追いかけてきた。 ミチルの男友達とその彼女たちが、ミチルと一緒にいたのだが、何とそこで大きな事件が起こってしまう。

そして、ミチルの逃避行が始まるのだ。
この物語の語り手は、ミチルの夫だ。 その夫がだれなのか、についてはずっと後まで明かされない。


これはミステリーなのか文学なのか。
いずれにしてもちょっと中途半端な感じがある。
ミステリーにしてはトリックもなければ完全犯罪の匂いもしない。一番の問題点は、登場人物の行動に対して共感がもてない、ということだ。

ミチルが人格破たん者だからではない。人格が破たんしていても好感を持てる小説の登場人物はいくらでもいる。
むしろ問題はストーリー、プロットの安易さ、あるいは説明の不足だろう。

殺人、死体遺棄、陰謀、お金…いろいろ絡んでいるのに、それでもなぜか存在感が希薄で、問題の重要さが伝わらない。 作者はあえて出来事の実行プロセスの説明を曖昧にすることで、人間関係をメーンに描こうとしたのかもしれないが、必ずしもそれが成功しているように見えないのが惜しい。

お勧め度:☆☆☆1/2 もう少しディテールがほしかったのかも。


身の上話


ラベル:佐藤正午
posted by 濫読ひで at 10:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家さ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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