2009年07月18日

坂口菊恵 ナンパを科学する (6/2009) ☆☆☆


ナンパを科学する
ヒトのふたつの性戦略
著者: 坂口菊恵
出版社: 東京書籍
サイズ: 単行本
ページ数: 303p
発行年月: 2009年04月
ISBN:9784487802739
本体価格 1,700円 (税込 1,785 円) 送料無料
在庫あり(1〜3営業日内に発送予定)

ナンパを科学する

これは一応、ちゃんとした学問の本だ。
以前、日経新聞の書評でとりあげられていたので、入手してみた。

どうして美人がナンパされるとは限らないの?
男性と女性では浮気の理由が違うって本当? 
なぜ彼女は何回も悪い男にひっかかるの?
進化心理学で解き明かす、ヒトの性行動のふしぎ!

こんな感じの帯がついている。
「キャバクラの経済学」のような砕けた本ではなく、むしろ竹内久美子先生の本をアカデミックにした感じだといえばイメージがあうだろうか。


一部分は興味を引くような内容で、別の部分は完全に学説の紹介にとどまり、ある部分は実証を試みている。

東大の博士課程修了の才媛(この言葉が適切なのかどうかは不明だが)が渾身の力で書いた決定版!というよりは、「なんでわたし(あるいはあの人)ばっかり痴漢にあうの?」というような疑問から書かれているというのもあながち間違いではあるまい。

男の立場からすると、ナンパと痴漢をいきなり同列で議論を始めるところから違和感があるが、要するに学問上は「望まぬ性的アプローチを異性からうけること」のようだ。

ただ、読んでいて、どこまでが学問的に実証されたと言えるのか、についてはよくわからなかった。
いろいろな実験により、ある程度の行動パターンが認識されるところまではわかる。だがその結果の解釈は一義的ではないだろう。

その結果、かなり中途半端な議論で終わっている感じがある。
たとえばこの帯で書かれていることについての回答がすべてこの本に書かれているのか、といえば、書かれていないのだ。

仮説だったり、仮説すら提示されていないものもある。

そのほうが現実的だろう。一方、学問的にはどうなのだろうか。

学問的な内容を平易につづる、という目的にしてはアカデミックすぎる内容だし、その一方で参考文献は豊富なものの学問的な掘り下げや論理的な説明としては不満がある。

どちらかによりフォーカスを置いたものであったほうが、読む方にとってはありがたいのではないか。

で、結局、女性の魅力度がナンパや痴漢にあう頻度を予測する決定定期要因ではない、というのが結論のようだが、だから何だ?という事になる。 なぜ?に対しての明確な答えはない。
当初の「どうして美人がナンパされるとは限らないの?」に対しての答えは「美人だからナンパされるとは限らないから」という単なるトートロジーで終わってしまっているのだ。 わたしの読解力では、それ以上の論理は読み切れない。 

その辺は残念だ。 科学の力で、私もナンパの名人になれるかと思ったのに。

お勧め度:☆☆☆ 残念ながらちょっと中途半端です。難しそうな本を読みたい人はどうぞ。自らの「短期的配偶戦略」について検討できますよ。

ナンパを科学する


ラベル:坂口菊恵
posted by 濫読ひで at 13:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家さ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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