2009年04月05日

小川洋子 猫を抱いて象と泳ぐ (4/2009) ☆☆☆☆1/2


猫を抱いて象と泳ぐ
著者: 小川洋子
出版社: 文藝春秋
サイズ: 単行本
ページ数: 359p
発行年月: 2009年01月
ISBN:9784163277509
本体価格 1,695円 (税込 1,780 円) 送料別
猫を抱いて象と泳ぐ

チェスの話だが、チェスを知らない人にも十分に楽しめるだろう。

少年は「リトル・アリョーヒン」と呼ばれた。
正確には、それは彼の名ではない。 彼がもぐる、木製の人形の名前だ。
彼は、古びたバスに住む太った男からチェスを習った。
その男、マスターは彼にチェスを教え、美しい棋譜を残すことを教えてくれた。
そして、彼をチェスクラブに紹介してくれた。
ひとつ問題があった。彼のチェスの指し方は、テーブルの下にもぐる、というスタイルだったのだ。そのほうが手が見える。だが、それはクラブでは礼儀がないとみなされてしまう。

そして、裏クラブに招待された。 そこには、小さな木の人形があった。それは、チェスを指す人形だ。 彼はその下にもぐり込み、人形を操作してチェスを指す。
その人形の名が、リトル・アリョーヒン、と呼ばれた。そして少年は、リトル・アリョーヒンとしての人生を歩みだす。

少年の傍らには猫がいた。ポーンという、マスターが飼っていた猫だ。 ポーンは幻となっても彼の傍らにいる。
ビルの屋上で見世物にされて一生を終えた象、インディラ。インディラの姿を、彼はビショップの中に見る。
少年のパートナーの少女、ミイラ。ミイラとは、壁の間に閉じ込められた少女から、彼が作りだした名前だ。

少年は、猫を抱いて、象とともに、チェス盤という海を泳いでいく。ある時はミイラとともに。ある時は、ひとりで…


チェスという奥深い、そして海外のゲームに対しては、いろいろと素晴らしい小説が書かれてきただろう。この本は、それにもう一冊を加えたことになる。 この本は、チェスについて書かれた本ではない。チェスを愛した少年の人生の話だ。 チェスを知らなくても楽しめるし、チェスを知る人は、チェス盤に棋譜を並べながら読んでみるといいだろう。

お勧め度: ☆☆☆☆1/2 チェスはやはり奥深いです。

付記;
ちなみに私はチェスを指せるが、べつに上手くはない。
ネットの「ギコチェス」には勝てるが、もう少し強いプログラムには勝てない。むしろ囲碁のほうがましだと思う。


猫を抱いて象と泳ぐ


ラベル:小川洋子
posted by 濫読ひで at 18:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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