ピーター・ノースの祝福
著者: 渡辺やよい
出版社: 幻冬舎
サイズ: 単行本
ページ数: 381p
発行年月: 2008年07月
ISBN:9784344015432
本体価格 1,600円 (税込 1,680 円) 送料別
ピーター・ノースの祝福
「渡辺やよい」という作家を知っているだろうか?
このブログ・メルマガでも以前紹介したことがある。
http://hidebook.exblog.jp/3123894
基本的にはレディースコミックの(もう少し正直にいえばアダルトの)漫画家だが、本も何冊か書いている。
その彼女の新作の小説だ。
正直、驚いた。非常によくできた作品集になっている。
それぞれの作品が意外なストーリー展開と結末になっていて、いい意味で期待を裏切るような形になっている。
とくに最初の「うん」は素晴らしい。
僕とエッチした後、るみちゃんは生き生き復活して、またオヤジに会いに行き、智クンとデートするのだ。
食物連鎖だ、と、僕は思う。
僕(磯部)は、るみちゃんが好きだ。るみちゃんは、智という男が好き。そして彼女は彼に貢ぐため、オヤジとつきあっている。
僕はるみちゃんのストレスのはけ口になっているようだ。るみちゃんは理不尽だ。 僕の気持ちを知っているのに智クンだけを追いかけている。 彼女は言う。
「あたしはがんばってるんだ。磯部だらしない、あんたもがんばるべきだ。あたしもがんばってんだ、磯部、逃げるなんてずるい!」
僕はその食物連鎖の最下部で過ごしている。どんな仕打ちにあったとしても。
そしてある日…
この作品以外も、よく出来ている。
「百年の梅干し」の登場人物は、その後の「虫の子 花の子」にも出てくる。予定調和ではない形で。
表題作も意外な展開だ。 ただ、実在の人物を使っているだけに、最後のところはどこまで本当なのだろう、とか考えてしまったが。(その点は確認できなかった。)
いずれにせよ、幻冬舎がこの本を出した理由もわかるような気がする。非常によくできた本だと思う。
お勧め度;☆☆☆☆☆ 先入観なく読んでください。
ピーター・ノースの祝福
ラベル:渡辺やよい



