2009年01月04日

山口芳宏 豪華客船エリス号の大冒険 (12/2008) ☆☆☆☆1/2


豪華客船エリス号の大冒険
著者: 山口芳宏
出版社: 東京創元社
サイズ: 単行本
ページ数: 348p
発行年月: 2008年11月
ISBN:9784488024390
本体価格 2,000円 (税込 2,100 円) 送料別
豪華客船エリス号の大冒険

「雲上都市の大冒険」
http://hidebook.seesaa.net/article/65653105.html

が放つ第二弾。

探偵、荒城のところに伝説の犯罪者「夜叉姫」から挑戦状が届いた。
そして荒城はその挑戦を受け、豪華客船エリス号に乗り組む。

それを知ったもう一人の名探偵、真野原は一緒に乗り組もうとするが、追い出されてしまう。

そして、船の中で、夜叉姫が動き出した…。


この小説についていえば、

すべてが「ありえない」

あまりに荒唐無稽だ。設定もありえないしトリックもありえない。
その一方でパロディもなんじゃこりゃ、というようなもの(たとえば猫の名前)もある。
猫にドゥーゼン、とつけたのはもしかしてこれは「思考機械」かな。だとすると、ヴァン・ドゥーゼンとしなければならないはずなのだが。まあルパンは犬の名前だし(笑)。

いずれにしても、ここまで荒唐無稽であると、もう拍手せざるをえない。新人賞受賞作もそうだが、この作品も、まけず劣らず荒唐無稽である。
だが、だから面白い。

ありえない設定、ありえないトリック、ありえないご都合主義。
これらが揃うと、実は結構ちゃんとした「冒険小説」になると思う。
押川春浪あたりは喜ぶだろう。「冒険世界」に連載してほしい!と。

冒険小説が好きなあなたにはぜひ、といいたい作品だ。もちろん第一作を読んだあとで。

お勧め度:☆☆☆☆1/2 荒唐無稽が褒め言葉になる作品です。



豪華客船エリス号の大冒険
ラベル:山口芳宏
posted by 濫読ひで at 16:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家や行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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