2005年12月29日

岡田 斗司夫 プチクリ!―好き=才能! (12/28/2005) ☆☆☆☆☆

プチクリ!―好き=才能!プチクリ!―好き=才能!

岡田 斗司夫


幻冬舎 2005-12
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素晴らしい本だ。
まずこの一行から始める。

「プチクリ」とは何か。岡田氏の造語で「プチ・クリエーター」のことだ。プチはフランス語なんだが(笑)。
岡田氏は「オタクの王様」だ。昔「オタク学入門」という本を書いたり、東京大学でオタクについて熱く語ったり、いろいろなことをしている。今でも大阪芸術大学で教授(!)をしている。

芸大だから、学生は皆クリエーター希望だ。ところが岡田氏は業界を知っているので、学生150人のうちプロのクリエーターになれるのはせいぜい3人だ、ということをわかっている。
その3人になるためには才能だけではなくて運も必要だ。
残りの人たちはどうすればいいのか?「プロになれなかった」というだけで敗北者の烙印を押されてしまうんだろうか?
岡田氏は、そんなことはない、と説く。プロの道は険しく厳しい。高く評価される映画監督がAVモザイク入れをしていたりするのだ。
だが、道はプロだけではないのだ。それだけで食っていかなくてもいいじゃないか、楽しみながらやっていけばいいじゃないか、と。 それが「プチクリ」への道だと。
本業がなんであってもいい。クリエートして発信することを楽しめばいい。それがプチクリの基本的な考え方だ。

それから、サブタイトルでもある話。「好き=才能」とは?
これも、読んでもらうのが手っ取り早いのだが。
絵がわからない人は、美術館にいっても退屈だ。その一方、好きな人は、「難しく考えないで、ただ見たまんま」、なんてことを言ったりする。
だが、クラシックが嫌いな人がクラシックを聞いても眠くなるだけだし、その一方で、歌舞伎ファンでないは歌舞伎を見聞きしてもつまらない。 もちろん、ファンは楽しんでいるのに、だ。
岡田氏はここを突いて、宣言する。「好きなこと、わかることそのものがすでに才能なのだ!」と。 そして、才能を見つけ出すために「才能マップ」を書くことを勧める。

そして自分の才能を見つけ出したら、「プチクリ」になればいいのだ!
才能よりも、継続することのほうが大事だという。そして「コントロール力」がつくかどうかが重要になってくる。

他にもいろいろな気づきがある。
「どうすればマンガ家になれますか?小説家になれますか?」
こう聞いてくる学生に対して、岡田氏はこう答える。
「二度とそんなくだらないことは言うな!」

それは何故か?
ぜひ、本文を読んでいただきたい。
「そんなヒマがあったら描け!」などと言う事ではない。かなり目からウロコではないか。

プチクリ。
私も、こんなメルマガを出しているからには、プチクリの仲間入りをしている。プチ書評家だ。曲がりなりにも読者がついてきてくださるし、作家さんや出版社さんから、「本を読んで紹介してください」というお話しもいろいろいただいている。

なぜこれをしているか、というと、やはり楽しいからだ。 難行苦行のプロクリではなく、楽しんでいるプチクリだからだ。
そう考えると、どんどん楽しくなってくるし、気も楽になってくる。


岡田氏は当分この「プチクリ」を広めるために努力を続けると言う。私もぜひ応援したい。
皆さん、この本を、ぜひ買ってください。

ちなみに、アマゾンではなく、紀伊国屋という手もある。
岡田氏は、ある事情により、できれば紀伊国屋で買って欲しい、と言っている。
新宿店でも、地方店でも、オンライン店でもいい。リアル店の場所、オンライン書店へのリンクは
http://www.kinokuniya.co.jp/
に載っている。

もちろんアマゾンで買ってもらってもBK1でもブックファーストでもかまわない。
この「プチクリ」が売れることで、世の中が少し変わるのではないかと思う。
少なくとも、多くの人間に福音をもたらすことは間違いないと思う。

「僕はここにいていいんだ」「おめでとう!」というとちょっと違うかな。
だが、「プチクリであること」の楽しさ、「実はプロクリもプチクリを志向する」という意外な事実があきらかになってくるにつれ、読者のあなたもかなり癒され、そして奮い立つだろう。

2006年があなたの「プチクリ元年」になることを切に願っている。

お勧め度:☆☆☆☆☆ この本は、あなたを元気付けます。ぜひ、そばにおいていて下さい!










posted by 濫読ひで at 06:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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