2008年12月13日

さだまさし 茨の木 (12/2008) ☆☆☆☆☆


茨の木
著者: さだまさし
出版社: 幻冬舎
サイズ: 単行本
ページ数: 299p
発行年月: 2008年05月
ISBN:9784344015012
本体価格 1,429円 (税込 1,500 円) 送料別
茨の木

さだまさしの書いた本、ということでちょっと先入観があったが、読み始めてみたら、非常に面白いものだった。

真二は、父の葬式のあとで兄と喧嘩をした。悲しいのは兄だけではない、という一言から。
そして兄から、父の遺品のヴァイオリンが送られてきた。真二は、そのヴァイオリンを修理してもらった。するとそのヴァイオリンはグラスゴーのR.C.Crawfordという人間が作ったものである、ということがわかった。 
真二は、そのCrawfordという人間を足跡を訪ねて、イギリスへ飛んだ。 そしてそこで雇ったセクレタリーサービスの宗方響子とともに、車で湖水地方へ向かっていく。


さだまさしがこんなに作家としてもすばらしい才能を持っているとは思わなかった。そして、この作品を書くために、かなりちゃんとしたリサーチをしてであろうことにも驚きだ。おそらく現地にもちゃんと取材に行っているだろう。そうでなければなかなかここまでの描写はできないと思う。

何よりも、演出がにくい。 
ふと、先ほど手に取った雑誌に書いてあった。「さだまさしは、泣ける」 これは本ではなくて音楽の歌詞についてであったが、この本でもそうだといえる。

すばらしい演出により、泣かされてしまう。もちろんそれは涙腺がゆるい人間だけかもしれないが。

出会いの物語。それが陳腐にならないよう、しっかりと計算された作品だ。 短い歌詞で世界を作れるだけでなく、こんな長い小説でも、独自の世界を作り出せるさだまさしの才能には脱帽だ。

お勧め度:☆☆☆☆☆ アーサー・ランサムの本を読んだことのある人にもお勧めでしょう。

茨の木
タグ:さだまさし
posted by 濫読ひで at 12:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家さ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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