2008年11月08日

吉永南央 誘う森 (11.2008) ☆☆☆☆


誘う森
東京創元社・ミステリ・フロンティア
著者: 吉永南央
出版社: 東京創元社
サイズ: 単行本
ページ数: 289p
発行年月: 2008年06月
ISBN:9784488017460
本体価格 1,600円 (税込 1,680 円) 送料別
誘う森

洋介の妻、香映は突然、自宅で自殺してしまった。
その苦しみからまだ抜けられない洋介は、妻の死因に疑問を抱いている。
本当に自殺だったのだろうか?と。


香映は、自殺防止のボランティアをしていたのだ。
この町の山には、自殺の名所のような森がある。
そこで毎年何人かの自殺者が出る。彼女はそれを抑えるためのボランティアをしていた。 それなのになぜ自殺するのか?

洋介は、自分で香映の死について、再度調べ始める。すると、いろいろなことがわかってきた…


ミステリ・フロンティアの新刊で、作者にとってこれが初の長編作品だそうだ。

現在と、生前の香映の行動が行ったり来たりする形をとっているが、べつにそれは読みにくさを与えてはいない。

ただ、香映という女性が、どんな女性だったのか。洋介にとって、そしてまわりにとってどうだったのか、ということをもう少し書き込んでもらったほうが彼女に親近感がわくのではないか、と思った。

読めば読むほど、彼女に対する印象は変わっていくのだ。それが必ずしもプラスの方向ではない。もちろん最後のところには洋介に「救い」を与えているものの、やはりキャラクターに違和感が残ってしまった。

だが、ミステリーとして、十分に楽しめる作品に仕上がっていると思う。 今後の作品も期待したい。

お勧め度;☆☆☆☆ 森が誘うのか、それとも…


誘う森
ラベル:吉永南央
posted by 濫読ひで at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家や行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。