ばす
著者: 山本甲士
出版社: 双葉社
サイズ: 単行本
ページ数: 321p
発行年月: 2008年09月
ISBN:9784575236330
本体価格 1,500円 (税込 1,575 円) 送料別
ばす
名手山本甲士の短編集だ。
今回は「ばす」がテーマ。
そうは言っても乗合バスではない。
外来魚のブラックバスだ。
ブラックバスといえば、バスフィッシングの愛好家には好まれ、一方で自然保護派からは目の敵にされる魚だ。
山本甲士はどちらかといえば擁護派なのだろう。だが、それほど擁護派にこびる文や流れにはなっておらず、「どっちも仲良くやろうよ」的な感じになっている。
バスが住む北浦溜池と南浦溜池。子供たちや若者がバスを釣っている。一方、自然保護派はバスの駆除をうたっている。
第一話は、バス釣り人たちのマナーの悪さを告発するという番組を作ろうとした連中が、逆にバス釣り人たちに助けられる話だ。
バス釣りの面白さはたぶん経験すればわかるのだろう。
これはスポーツフィッシングで、バスとの戦いだ、ということになっている。だから戦ったあとはリリースするのだ。
バスは生態系を壊しているから、それを駆除すべきだ、というのはそれなりに正当性があるだろう。一方で、共存をはかろう、というのも考え方なのかもしれない。
バスからすれば迷惑な話だ。自分たちを連れてきたのはほかでもない人間だからだ。
個人的には、バスは駆除すべきだと思うが、完全な駆除はできないのも事実だろう。 みんな仲良くやれればいいが、なかなかそうはいかないというのも現実だと言える。
お勧め度:☆☆☆☆1/2 あなたはバスのキャッチアンドリリースを支持しますか?
ばす
ラベル:山本甲士
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