2008年11月03日

山本甲士 ばす 10/2008 ☆☆☆☆1/2


ばす
著者: 山本甲士
出版社: 双葉社
サイズ: 単行本
ページ数: 321p
発行年月: 2008年09月
ISBN:9784575236330
本体価格 1,500円 (税込 1,575 円) 送料別

ばす

名手山本甲士の短編集だ。
今回は「ばす」がテーマ。
そうは言っても乗合バスではない。
外来魚のブラックバスだ。

ブラックバスといえば、バスフィッシングの愛好家には好まれ、一方で自然保護派からは目の敵にされる魚だ。

山本甲士はどちらかといえば擁護派なのだろう。だが、それほど擁護派にこびる文や流れにはなっておらず、「どっちも仲良くやろうよ」的な感じになっている。

バスが住む北浦溜池と南浦溜池。子供たちや若者がバスを釣っている。一方、自然保護派はバスの駆除をうたっている。 

第一話は、バス釣り人たちのマナーの悪さを告発するという番組を作ろうとした連中が、逆にバス釣り人たちに助けられる話だ。

バス釣りの面白さはたぶん経験すればわかるのだろう。
これはスポーツフィッシングで、バスとの戦いだ、ということになっている。だから戦ったあとはリリースするのだ。


バスは生態系を壊しているから、それを駆除すべきだ、というのはそれなりに正当性があるだろう。一方で、共存をはかろう、というのも考え方なのかもしれない。

バスからすれば迷惑な話だ。自分たちを連れてきたのはほかでもない人間だからだ。

個人的には、バスは駆除すべきだと思うが、完全な駆除はできないのも事実だろう。 みんな仲良くやれればいいが、なかなかそうはいかないというのも現実だと言える。

お勧め度:☆☆☆☆1/2 あなたはバスのキャッチアンドリリースを支持しますか?



ばす
ラベル:山本甲士
posted by 濫読ひで at 17:23| Comment(0) | TrackBack(1) | 作家や行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 池に落ちているルアーで楽に商売ができないかと考えた食堂の息子、バス釣り人を悪者にする映像を撮るために奮闘するプロデューサー…。ブラックバス騒動の周辺で地味に人生を狂わされた人々を描くシニカル・ユ.....
Weblog: 粋な提案
Tracked: 2010-11-04 11:20
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