2008年09月27日

池谷裕二 /木村俊介 ゆらぐ脳 ☆☆☆☆☆


ゆらぐ脳
著者: 池谷裕二 /木村俊介
出版社: 文藝春秋
サイズ: 単行本
ページ数: 252,
発行年月: 2008年08月
ISBN:9784163702506
本体価格 1,238円 (税込 1,299 円) 送料別

ゆらぐ脳

脳はどうなっているのか?
誰でも抱く疑問の一つだろう。
この本は、新進気鋭の国際的に認められた脳科学者、池谷裕二東大薬学部准教授に対して、インタビュアーの木村俊介がいろいろ質問をし、現代の脳科学の状況や科学への取り組み方などについて展開しているものだ。
彼の考えは、いままでの日本の伝統的な科学者の考えとは違うかもしれないが、現在のリアリティを見据えたものになっている。

たとえば、「科学は政治や流行に左右される人間的営為」
などという発言は、大部分の科学者が広言するものではないだろう。

たとえば欧米の学者が、論文審査で自分の分野の論文を積極的に採用することがある。それは、最高の雑誌に論文が掲載されなければ活発な分野とは言われないからだという。

あるいは、いまの分子生物学は、「自動車からハンドルをとりだしたら渋滞した。ハンドルをもどしたら渋滞が解消した。だから、ハンドルは渋滞を起こす原因である」というようなことをやっているからダメだ、と指摘してみる。 言われてみると、そういう論理がいろいろありそうだ。

科学者にはプレゼンテーション能力が必須、とも言われる。なるほど。それもそうだろう。結局脚光を浴びるためには業績を発表し世間に伝え受け入れさせなければならないのだから。

部分の全体は総和ではないし、部分部分の相互作用は部分の分析だけからは生まれない。

いろいろ、眼からウロコの指摘がされている。
そして、現代のアカデミズムに警鐘を鳴らす本にもなっている。

素晴らしい本だといえる。 語り手である池谷准教授、そしてその話を引き出した木村氏(もと「ほぼ日」の「海馬」担当)のコンビにより、この本が出来上がった。

お勧め度;☆☆☆☆☆ 脳科学(これは日本独自の言葉だという)に興味のある人もない人も、ぜひ!

ゆらぐ脳


posted by 濫読ひで at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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