2008年09月27日

西澤保彦 夢は枯れ野をかけめぐる (9/2008) ☆☆☆☆1/2


夢は枯れ野をかけめぐる
著者: 西澤保彦
出版社: 中央公論新社
サイズ: 単行本
ページ数: 315p
発行年月: 2008年08月
ISBN:9784120039713
本体価格 1,600円 (税込 1,680 円) 送料別
夢は枯れ野をかけめぐる

「早期退職者羽村祐太の静かな世界」として掲載された短編群および書き下ろしからなっている。

祐太は、独身で48歳。デパートを辞め、ハローワークに通う日々ながらなかなか職は見つからない。

クラス会で昔の同級生の女性に逢い、奇妙なことを頼まれた。暇があるなら、ゴミの分別をしてくれ、というのだった。 毎週水曜日、彼女はごみの袋をかかえて彼の家にやってくる。そしてすぐに立ち去る。 彼はごみを分別して捨てる。ただそれだけだ。  
なぜそんなことをするのか?
彼女の娘が、母親の行動を怪しんでやってきた…。

こんな感じの話だ。 だが、これは祐太が探偵として事件を解決する話ではない。祐太が解決する場合もあるが、そうでなくて他の登場人物が解決することもある。 その「解決」というのは心のなかでの解釈の問題だけであって、最終的に周囲に伝えて納得させる類のものとも限らない。

日常とはそういうものだろう。
静かな世界。 祐太は欲がない。 いや、もっと正確に言うと、物事を楽しんで、それに淫することで、それを失う悲しみ、辛さを味わうことを避けているのだ。

静かな生き方、そしてもしかしたら味気ない生き方。 だが、その中で祐太は静かに生きている。そして満足している。 

日常を生きていくにはそれが大事なのだろう。

最終話には仕掛けがある。 なるほど。違和感はそういうことだったか。

お勧め度:☆☆☆☆1/2 「老後」でない日常にはこんな静かなドラマがあります。

夢は枯れ野をかけめぐる


ラベル:西澤保彦
posted by 濫読ひで at 10:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家な行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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