2008年06月21日

霞流一 死写室 (6/2008) ☆☆☆☆


死写室
著者: 霞流一
出版社: 新潮社
サイズ: 単行本
ページ数: 287p
発行年月: 2008年02月
ISBN:9784103065319
本体価格 1,500円 (税込 1,575 円) 送料別
死写室

探偵、紅門福助(くれないもん ふくすけ)が映画にかかわる殺人事件を解決する。 
なぜか、彼がかかわると殺人事件が発生する。そしてそこに駆けつけるのは、村原警部。
なぜか殺人がおこること。
なぜか同じ警部が出てくること。
なぜか非常に凝った形で殺されていること。
なぜか現場の人間が犯人ですぐにわかること。

そんなのは、設定だから疑問に思ってはいけない。

さて、それを前提にすると。
短編謎解き。いわゆる正統派のフーダニットだ。
ミステリの本質は短編にあり。まさにそうだろう。

ただし、一部の作品はあまり好きではない。
私がときどき思う、トリックのためのトリックというが含まれるからだ。
つまり、トリックそのものを破るのは推理小説の醍醐味ではあるのだが、そのトリックに必然性がないもの、というのは不自然だ。

「なぜそういうことをしたのか」という部分が弱い。
Who, how はわかるのだが、why が弱い。もちろん動機は明らかだが、「なんでいったいそんなことになっちゃうの?」というのがちょっと不明瞭になってしまう。

人を殺すときに、こうやってこうやってこうやったので、結果的にこうなって、不可能殺人の現場が作り上げられてしまった、というようなことだ。 そんなことしないですぐにやって逃げろよ、という突っ込みを入れたくなるようなケースがある。もちろん作者としては「ばれないように逃亡しないで自殺(あるいは迷宮入り)と処理してもらうのを待つ」という説明になるのだろうが…

けなしているように見えたら申し訳ない。
ストーリーは面白いものも多い。
「届けられた柩」などには映画に対する愛が感じられるのだ。

(作者は以前、映画会社に勤めていたそうだ。)

お勧め度;☆☆☆☆ 映画って本当に…不吉ですね〜紅門福助には。


死写室

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タグ:霞流一
posted by 濫読ひで at 11:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家か行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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